北アルプスの南端に位置する乗鞍岳。その山麓に開かれたスキー場が「Mt.乗鞍スノーリゾート」だ。ゲレンデトップは標高が2,000mもあり、高所とあってハイシーズンにはサラサラのアスピリンスノーが降り積もる。特に今シーズンは積雪が多くて最高のコンディション。その極上パウダーをさっそく味わってきた。
■まずは山麓の非圧雪を満喫
「Mt.乗鞍スノーリゾート」への道のりは長野道・松本ICから車で約1時間ほど。松本市街地から観光地スポットの上高地や飛騨高山へと続く国道158号線を進み、トンネルが続く山道の途中から分岐して、県道84号線を進んだ先にスキー場がある。山深い場所に位置し、ゲレンデベースの標高が1,500m、トップは標高2,000mにもなる高原リゾートだ。
標高の高さゆえ、もともと雪質の良さに定評があったが、今季は降雪が多く、良質な雪をたっぷり味わえる最高のシーズン。滑りに行った日も連日のように雪が続き、パウダーランには絶好のタイミングだった。
一般的なスキー場は、ゲレンデ山麓に初級コースが設定されていることが多いが、「Mt.乗鞍スノーリゾート」はベースに中~上級斜面が集まっている。しかも非圧雪エリアまであるので、まずはここから攻めることにする。さっそく山麓に架かる「のりくら山麓リフト」からコースに滑り込むと、底付きのしない深い新雪がたっぷり。あまりに気持ちよくて、リフトを数本回して非圧雪エリアのパウダーを楽しんだ。
■ゲレンデトップの急斜面も攻める
続いてリフトを乗り継いで、ゲレンデトップの「かもしかリフト」に向かう。ここには非圧雪エリアを含む中~上級斜面が数本ほどレイアウトされており、スキー場最大の急斜面もある。幅広のゲレンデは一面が雪に包まれおり、自由なライン取りでパウダーランを楽しめる。そして何より静かで、自然が近く感じられることも魅力なのだ。
ワイドバーンのセンターをダイナミックに疾走したり、コース脇の起伏に富んだ地形で斜度変化を楽しんだり、さまざまな滑りを楽しめる。
さらに、このゲレンデトップからベースまで最長滑走距離2,000mのロング滑走も可能で、自然地形をそのまま利用した斜面をたっぷり満喫できる。
■中腹は緩斜面や林間でのんびりと
スキー場の中腹に架かる「夢の平クワッド」では、斜度がゆるやで長さもある「夢の平コース」をのんびりと滑走。平均斜度5度のフラットなコースなので、初心者やキッズも楽しめる。また、このコースは、晴れた日には乗鞍岳が良く見える絶好のビューポイントでもある。
「夢の平クワッド」を降りて右に向かうと、林道を抜ける迂回コースが複数延びている。森を抜けてのんびる滑れるコースなのだが、実はこの途中に非圧雪の中斜面を滑れるポイントがある。そこを狙いに行ってみると、穴場的な場所なのかトラックが1本も入っていない一面が新雪のバーンが広がっていた。すでに、山麓・山頂エリアをたっぷり滑り込んだのに、「これはラッキー!」とノントラックへ気持ちよく飛び込んだ。「Mt.乗鞍スノーリゾート」はあちこちで楽しみを発見できるので、コースをあますことなくめぐりたくなる。