日々物価高騰のニュースが流れ、市民生活に及ぼす影響の大きさを心配する声が聞こえてくる昨今。全国各地のスキー場リフト券も例外ではなく、インバウンド客が多く訪れる有名スキー場の1日券はついに1万円を超えた。かつては週末家族で気軽に滑りに行けたのに、今では遠い存在となってしまったスキー場も。

 しかし、そんな値上がりばかりの今日において、北海道には無料で滑ることができるスキー場があるのをご存知だろうか。しかも、無料だからと侮るなかれ。頂上までスキーヤーやスノーボーダーを運んでくれるロープトゥが設置され、降雪があればコース整備も行われていると聞けば、さらに驚きだ。

 今回は、そんな無料で滑ることができるスキー場にアンケートを実施。気になる概要や運営方法について、回答してくれた内容をもとに紹介していきたい。

■北海道に複数ある「無料スキー場」とは

延べ1万人以上がロープトゥを利用する西興部村(にしおこっぺむら)にある「宮の森スキー場」(画像提供:宮の森スキー場)

 今回、アンケートにご協力いただいたのは上川地方の「上川町営中山スキー場」「下川町スキー場」と道東地方の「風の丘スキー場」「宮の森スキー場」の計4か所。どのスキー場も全長は300m以内とコンパクトだが、2コースを備える場所もあり、無料で滑ることができることを考えれば申し分ないだろう。

 斜度は平均10度~15度程度と、初中級者の練習に最適。北海道では、冬になると体育の授業にスキーが実施される小学校が多く、スキーを履いたことがない未就学児のスキー慣れのための場所としても、大いに活用されてきた。

 一般的にスキー場にはリフトやゴンドラがあり、スキーヤーやスノーボーダーをゲレンデ上部へと運んでくれるが、無料スキー場では主にロープトゥが使用されている。ロープに直接掴まり立った状態で斜面を滑りながら上がる「滑走式リフト」で、あまり馴染みのない人も多いだろう。慣れるまで多少コツが必要だが、コンパクトなスキー場であればこれで十分だ。

■スタッフ常駐?  コース整備はあるの?

日本の有名ジャンパーたちも足しげく通ったジャンプ台が併設された、下川町にある「下川町スキー場」(画像提供:下川町スキー場)

 スタッフに関しては、今回アンケートを依頼したすべての無料スキー場で常駐しているとの回答であった。ロープトゥの使い方がわからないときや、万が一滑走中にケガをしてしまったときも、スタッフがいれば安心だ。

 また、降雪時にはスノーモービルや圧雪車を活用したコース整備も行われており、中には降雪がなくても適宜行っているといった回答もあった。