登山に興味はあるが、高い山に挑むのは不安がある。そう感じている人におすすめしたいのが、茨城県日立市に位置する神峰山(かんのみねさん・標高597m)だ。
山頂からは太平洋の大パノラマが広がり、登山道は丁寧に整備されているため、安心して歩くことができる。加えて、信仰対象としての歴史や、途中にある神社、ビューポイントなど、文化や自然・景観的魅力の詰まった山でもある。神峰山の概要からおすすめのルートを基本に、筆者がおすすめする「ちょうど良さ」を紹介していく。
■都心から日帰り圏内。意外と身近な海の見える山

神峰山が位置するのは、茨城県北部にある日立市。太平洋に面した港町であり、JR常磐線を利用すれば、東京都心から登山口まで約2時間でアクセスできる距離。日帰り登山先として申し分ない立地条件を備えている。
登山の拠点となるのは、JR小木津(おぎつ)駅である。駅から登山口まではタクシーや路線バス、または徒歩でも15分程度。駅前にはカフェや商業施設が揃っており、登山とあわせてプチ観光気分も味わえる。
神峰山は地元で「かんぷさん」と呼ばれ、小学校の遠足先にもなっている身近な存在。登りやすさと絶景を望めるとあって、地域住民からも親しまれている。
■小学生も安心。気軽に登れる整備された登山道

神峰山には複数の登山ルートがあるが、今回紹介したいのは、「小木津自然公園登山口」からスタートし、神峰神社までの縦走ルートである。公園から続く登山道には東屋、見晴らし台などが点在し、変化に富んだハイキングが楽しめる。
コースは整備されており、足元は比較的安定している。急勾配の区間も少ないため、子ども連れでも無理なく歩くことができる。縦走にかかる時間は3時間ほど。春は新緑、秋は紅葉と、季節の移ろいを楽しめるのも魅力である。
■山頂からは圧巻のパノラマビュー。太平洋を一望!

神峰山登山のハイライトは、何と言っても山頂からの景色である。標高は597mと高くはないが、その展望は驚くほど開けており、太平洋の大海原が視界いっぱいに広がる。
天気が良ければ、眼下に日立市街や日立港が広がり、遠くには筑波山や那須方面の山々まで見渡すことができる。とりわけ朝夕の時刻には、空と海が淡いグラデーションを描くことから、写真愛好家にも人気のスポットとなっている。山頂には展望台とベンチが設けられており、持参したお弁当を広げながら絶景を満喫する登山者の姿も多く見られる。