登山の最中に困ることの一つがトイレだ。
地図やインターネットで登山道のトイレ情報を確認したり、万が一に備えて携帯トイレを持っていったりとあれこれと手を打っている。
しかし、登山道にトイレが設置されていても油断はできない。第一にトイレが点在しているといっても自分がトイレに行きたいタイミングと一致するとは限らないからだ。
また、登山者の利用方法の問題や台風などの影響で損壊しているなど、様々な事情で利用できない場合があるので安心はできない。
実際に筆者はそういった事態に直面し、急いで下山した経験がある。排泄は重要だが、できれば登山の最中の回数は抑えたい。そう考えていた時、面白い記事を見つけた。
餅や赤飯などでトイレの回数を抑えることができるという。
ぜひ試してみたい。本当ならば儲けものだ!
これからますます気温が低くなり、どうしてもトイレに行く回数は増えていく。実験を通して効果を実感できればいいのだが……。
■山のトイレ事情
トイレの回数を抑える実験の前に、まずは登山のトイレ事情について少し紹介したい。
トイレ事情は山によって大きく異なる。筆者が好んで登るマイナーな低山ではトイレがない場合が多く、駅など公共交通機関のトイレが頼りだ。一方で同じ低山でも人気がある高尾山は、多くの人が訪れる山で観光地としてきれいに整備されたトイレが設置されている。
有料のトイレも山域によっては存在し、例えば富士山では利用の際にはチップ(100~300円程度)が必要で、これらの料金はトイレの維持管理に利用される。
その他にも携帯トイレの利用ブースを設けている場合もあり、山でのトイレ事情は山域によって異なるのだ。
このように多様な山のトイレ事情に対して、筆者は対策に苦労してきた。
かつて心因性の頻尿と診断されたことがある筆者は登山の際には携帯トイレが必携であり、事前に市販の地図、インターネットで最新のトイレ情報を公共機関を含めて念入りに調査してから登るなどの準備が欠かせない。
現在症状は落ち着いているが、不安は完全には払しょくできないでいる。もし事前準備に加えてトイレの回数を抑えられるのなら、どれほど登山中の不安が和らぐことだろう。
■トイレの回数を抑えられる食品の情報はどこから発信されたのか
筆者が読んだ記事によると元々はSNSでの発信が発端だったようで、上映時間が長い映画を映画館で安心して観るための、映画好き達の知恵のようなものだったらしい。
いわく、餅を食べると上映時間が長くてもトイレに行きたくならない。
その記事は、そのSNSでの投稿を登山で活用してみようといった内容のものだった。
トイレの回数を抑えられる理由として、糖質の一種であるグリコーゲンが水分子と結びついて体内に貯えられ、結果として排泄される水分が減ることで回数を抑えられるのではないか、と推察されている。あくまで推察であって医学的なエビテンスは書かれておらず、そもそも個人やその日の体調などによって大きく差が出ることだ、というのは容易に察しがつく。実際の効果は経験則や体感に基づいたもののようだ。
しかし、悩みを抱える筆者としては試さずにはいられない。