■トイレの回数を抑える食品3種の効果実験

全ての食品がコンビニやスーパーなどで手に入る

 トイレの回数を抑えられる食品として挙げられていたのは餅。しかし登山口で餅を焼いて、というのは現実的ではない。そのため読んだ記事では餅の代替品として同じくもち米が使用されている赤飯がおすすめされていたので、今回の実験でも踏襲する。

 さらに前述したようにグリコーゲン=糖質がトイレの回数を抑えるために重要なので、今回の実験では「赤飯」、もち米を使用しているだけでなく餡もあって糖質が豊富な「大福」、そして行動食として携行しやすく糖質の多い「羊羹」を選定した。

実験で食べた赤飯・大福・羊羹の成分表

 実験は赤飯・大福・羊羹を食べ、実際の山行に近い行動時間で「トイレに行きたくなるか」「実際にトイレに何回行ったか」を検証する。

 普段は3時間程度で筆者はトイレに行きたくなるのだが、果たして糖質を多く含む食品でトイレに行く回数を抑え、トイレに行かずにすむ時間を延ばすことはできるだろうか。

●実験1. 行動開始時に赤飯・大福・羊羹から1種類だけを食べる

 最初に実施した実験では行動のスタート時点で1種類だけ食べてみた。

 実験1日目・赤飯、実験2日目・大福、実験3日目・羊羹というスケジュールで3日間にわたって実験を行った。

 実際の山行に近づけるため、持ち物も登山の際と同じもの(食料とクッカー、着替え、ファーストエイド、エマージェンシーセットなど)を持ち、500mlの水分を行動中に必ず補給して休憩も取ることにする。

 トイレに行く回数が減ることを期待したが、トイレに行きたくなるまでの時間や回数など普段の山行と大きな変化は感じられなかった。

 もしかしたらもっと効果のある食べ方があるのかもしれない。

 そう考え、次の実験を行うことにした。

●実験2. 赤飯・大福・羊羹を行動中に順次食べる

 実験1ではスタート時に1種類だけ食べていたが、このサイズ感の食品なら実際の登山では行動食として複数食べるのではないか? そう思い、実験1では3日に分けて1日1種類食べていたが、1日の行動中に全て食べることにした。

 具体的には実験2では赤飯→大福→羊羹の順番で行動食として食べる。もちろん実験1と同じ持ち物を持ち、500mlの水分補給も行う。

 まずは赤飯を食べてスタート。次に1時間30分ほど行動して、10分の休憩中に大福を食べる。さらに1時間30分行動。同じく10分の休憩中に羊羹を食べた。

 最終的に実験1と同程度の時間行動をしてみたところ、実験2の食べ方の方が尿意を感じづらかったように感じた。「急いでトイレを探さなければ」という切迫感がなく、精神的な余裕も生まれた。