■おすすめ4. 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ):視界が紅葉で埋め尽くされる標高2,612mの絶景カール

ルート:【日帰り】千畳敷←→宝剣山荘←→木曽駒ヶ岳
時間: 3時間40分
技術: ★★☆☆☆ 体力:★★☆☆☆
紅葉の適期: 9月中旬~10月上旬

千畳敷カールから宝剣岳(中央)を望む。木曽駒ヶ岳への山道は右の鞍部に延びる

●ポイント! 標高2,420mからはじまる高所紅葉

 木曽山脈こと中央アルプスの北部に聳える標高2,956mの最高峰。駒ヶ岳ロープウェイを使って、一気に標高2,612mの千畳敷カールへ。畳を1000枚敷けるくらい広いことからこう呼ばれる。

 紅葉のハイライトは、木曽駒ヶ岳ではなく実はここにある。ナナカマドの紅、ダケカンバの黄、ハイマツの緑、岩稜の白、青い空……。地球に存在する色をすべて集めたような風景が目の前に広がる。

 木曽駒ヶ岳山頂へは、往復約4時間の道のりだ。南アルプスの大展望を東に眺め、千畳敷の紅葉に背中を押されながら標高を上げる。宝剣山荘、天狗荘、駒ヶ岳頂上山荘、3つの山小屋を通過した山頂には、御嶽山や北アルプスが望める360度の大展望が待っている。

宝剣岳を左に見ながら乗越浄土へ上がる。振り返れば南アルプス
木曽駒ヶ岳山頂の祠。岐阜、長野の両県から仰ぎ見ることができる頂で、山岳信仰の舞台として栄えた山

●ルートMAP

■おすすめ5. 鳳凰三山(ほうおうさんざん):甲府盆地からよく見える標高2,700m以上のハイランド紅葉

ルート:【1泊2日】青木鉱泉←鳳凰小屋→鳳凰三山→青木鉱泉
時間: 1日目6時間/ 2日目7時間10分
技術: ★★☆☆☆ 体力:★★★★☆
紅葉の適期: 9月下旬~10月上旬

薬師岳から見た最高峰の観音岳。地蔵岳とともに鳳凰三山と呼ぶ

●ポイント! 純白の山肌に映える山岳紅葉

 赤石山脈こと南アルプスからは、甲府盆地からよく見える鳳凰三山をピックアップ。駐車場があり、路線バスが乗り入れる青木鉱泉を起点に、鳳凰小屋で1泊(テント泊も可)して、翌日地蔵岳、観音岳、薬師岳の鳳凰三山を縦走し、中道コースを下る周回コースだ。

 青木鉱泉から鳳凰小屋までの標高差はおよそ1,500m、コースタイムで6時間。ハードな1日となるので早出を心がけよう。

 ここで特筆したいのは、山頂部の紅葉だ。雪のように白い花崗岩の山々にナナカマドやダケカンバが彩りを与えている。とくに紅葉を纏った地蔵岳の地蔵仏岩(オベリスク)が青空をつんざく光景には息を呑む。野呂川の深い谷を隔てた南西には、日本第二の高峰北岳が聳える。

登山口にある青木鉱泉は森の中にあり、趣深い建築が特徴
右が薬師岳の岩峰。左奥が観音岳の頂だ。薬師岳小屋付近から撮影

●CHECK! 甲府盆地から見えるオベリスク

地蔵岳の地蔵仏岩(オベリスク)

 鳳凰三山のシンボル、地蔵岳の地蔵仏岩(オベリスク)。これがあるおかげでどこからでも鳳凰三山は一目瞭然だ。初登頂は日本アルプスを世界に紹介したウェストン。

●ルートMAP

 

【soto 2022 秋山より再編集】