9月に入り、下界ではまだまだ残暑が厳しく暑い日が続いているが、山岳地帯では夏のピークは過ぎようとしており、快適な気候になってきている。
今回はロープウェイやリフトを利用することで一気に標高を上げ、絶景を楽しむことができる山を5つ紹介したい。
■群馬県・谷川岳(たにがわだけ・標高1,977m)
群馬県と新潟県にある谷川岳は百名山の一座で、標高1,977mの「オキの耳」と標高1,963mの「トマの耳」からなる双耳峰だ。谷川岳ロープウェイを利用することで標高1,319m地点まで行くことができる。
天神平駅から谷川岳へは見晴らしのいい尾根沿い歩きになるが、勾配は急で、歩きごたえのあるコースだ。ロープウェイを降りてすぐの眺望も素晴らしいが、その先のトレッキングもしっかり楽しむことができる。
谷川岳は標高が2,000mに満たない山であるが、森林限界を超えており、雄大な景色を見ることができる。谷川岳からの景色は本場のアルプスの景色にも匹敵するほどだと筆者は感じている。
天神平駅から山頂までの所要時間は約2時間45分。往復だと5時間ほどで、早朝出発でなくても十分に日帰りが可能だが、帰りのロープウェイの時間は気にしておきたい。天候が変わりやすい山でもあるのでしっかりとした登山装備が必要だ。
【天神平駅からのピストンコース】所要時間
天神平駅 (00:50) → 熊穴沢避難小屋 (00:25) → 肩ノ小屋(00:15) → 谷川岳トマの耳(00:15) → 谷川岳オキの耳(00:45)→ 谷川岳トマの耳(00:10) → 肩ノ小屋(01:00) → 熊穴沢避難小屋 (00:50) → 天神平駅
歩行距離:約6.6km
累積標高差: 登り 901m、下り 901m
合計所要時間: 5時間50分(休憩時間約50分)
●【MAP】谷川岳ロープウェイ
■長野県・八方池(はっぽういけ・標高2,060m)
長野県と富山県の境にそびえる唐松岳(からまつだけ・標高2,696m)。その唐松岳へと続く八方尾根の途中、標高2,060m地点にある展望スポット「八方池(はっぽういけ)」からは北アルプスの雄大な景色を楽しむことができる。
黒菱平(くろびしだいら)からリフトを2本乗り継ぎ、標高1,830mからトレッキングを開始する。
スタート地点である八方池山荘はすでに森林限界を超えているので見晴らしがよく、後立山連峰を代表する山々を望みながら歩くことができる。
八方池までの所要時間は約1時間。往復だと1時間45分ほどだ。しっかりと整備された登山道は歩きやすく、勾配が急なところもない。道中にあるケルンを目標に八方池を目指そう。
所要時間も短いため、初心者や親子でもトライしやすく、北アルプス・後立山連峰の山々の絶景を楽しむのにおすすめだ。
【八方池山荘からのピストンコース】所要時間
八方池山荘 (01:00) → 八方池 (0:45) → 八方池山荘
歩行距離: 約3.2km
累積標高差: 登り 260m、下り 261m
合計所要時間: 1時間45分
●【MAP】黒菱第3ペアリフト
■長野県・入笠山(にゅうかさやま・標高1,955m)
長野県富士見市と伊那市にまたがる入笠山は日本三百名山に選ばれている標高1,955mの山だ。ゴンドラを利用することで標高1,780m地点からのスタートができ、およそ1時間5分のトレッキングで入笠山山頂へと到着できる。
山頂までは樹林帯歩きがメインだが、入笠湿原では季節の花を楽しむことができ、8月から9月にかけてはウメバチソウやハナイカリが見頃を迎える。
湿原エリアは木道が整備されているので安心して歩くことを楽しめるが、山頂に向かうにつれて斜面は急になるので、ペースを落としてゆっくりと山頂を目指したい。
山頂からは360度の大パノラマが広がり、特に八ヶ岳の景色がすばらしく、南端の編笠山(あみがさやま)から北端の蓼科山(たてしなやま)までを望むことができる。他にも中央アルプスや南アルプス、富士山も望むことができるので晴天を狙って出かけてみてほしい。
ゴンドラ山頂駅から山頂まで往復の所要時間は約2時間なので短い時間での行動ができる。全体を通ると起伏が緩やかなところが多く、体力に不安のある人でも楽しみやすい山だ。
【ゴンドラ山頂駅からのピストンコース】所要時間
ゴンドラ山頂駅 (00:20) →山彦荘 (00:15) → 御所平峠 (00:35) → 入笠山山頂 (00:25) → 御所平峠 (00:15)→山彦荘 (00:15)→ゴンドラ山頂駅
歩行距離: 約3.7km
累積標高差: 登り 304m、下り 304m
合計所要時間: 2時間分