■おすすめ3. 立山(たてやま):神々が宿る山岳信仰の舞台、日本三大霊山へ

ルート:【日帰り】室堂←→一ノ越←→雄山
時間: 3時間40分
技術: ★★★☆☆ 体力:★★★☆☆
紅葉の適期: 9月中旬~10月中旬

室堂から見上げる立山。右から雄山、大汝山、富士ノ折立

●ポイント! 標高2,420mからはじまる高所紅葉

 標高3,003mの雄山を主峰とし、北アルプス北部に屏風のように立ちはだかる連峰群、立山。玄関口の室堂へは富山県と長野県からいずれも公共交通機関のみでしかアプローチできない別天地だ。標高2,420mの室堂駅に降り立つと、爽やかな風とともに森林限界を超えた低木や地比類の赤、黄、緑が目に飛び込んでくる。

 一ノ越経由で雄山を踏むと、剱岳や薬師岳などの名峰に囲まれ、眼下には紅葉の絨毯に覆われた長大なスロープ。標高差600m、幅数kmの立山というキャンバスに描かれた眩しい紅葉を上から下から眺めることができる。

 室堂までのアクセスに時間がかかるので、1日目は天然温泉が湧く室堂の小屋に泊まれば、ゆったりと立山を楽しめる。

雄山山頂の岩のうえに建つ雄山神社の峰本社。360度の大展望
観光スポットとなる室堂平の地獄谷。温泉が湧き出る
登山道を覆う鮮やかな地被類。景色だけでなく心も明るくなる

■立山三山縦走:立山の三座を巡礼ラウンドトレッキング

ルート:【1泊2日】室堂→浄土山→雄山→内蔵助山荘→別山→室堂
時間: 1日目4時間20分/ 2日目4時間
技術: ★★★☆☆ 体力:★★★☆☆
紅葉の適期: 9月中旬~10月中旬

縦走路からはいつも室堂平を見下ろせる。噴煙が上がっているのは地獄谷

●ポイント! 秋の立山を満喫する周遊コース

 浄土山、雄山、別山の3座をあわせて立山三山と呼ぶ。室堂を起点にして山小屋に泊まりながらその三座を踏む周回コースは、立山をさまざまな角度から見ることができる立山満喫コースである。

 室堂から1時間ちょっとの標高2,831mの浄土山に登り、一ノ越を経由して雄山へ登頂。すれ違いが困難な岩場は譲り合いの精神を持って歩こう。そのまま大汝山、富士ノ折立を縦走し真砂岳直下の内蔵助山荘に投宿。標高2,800mからの朝日を眺め、いざ標高2,874mの別山へ。縦走路から10分ほどはずれた北峰に乗れば、圧倒的な存在感を放つ剱岳が正面に鎮座する。歩いてきた立山縦走路を左手に見ながら雷鳥坂を下る。2日間のうちで一度は紅葉に埋もれる雷鳥を見ることができるだろう。

稜線で朝日と夕日を浴びること。それは山中で泊まる最大の楽しみ

●ルートMAP