長野県の中央部にある松本市は、山の多い県下のなかでも広い盆地に恵まれ、駅を中心に商業施設などが広がる地方都市。首都圏や名古屋方面から3時間半ほどでアクセスできるうえ、3,000m級の峰が連なる北アルプスなど長野らしい景観を楽しめる。そんな松本市のシンボルが国宝の松本城。桜や新緑、紅葉と訪れる季節によってさまざまな雰囲気を味わえるが、なんといっても冬は雪を戴く北アルプスを背景に凛とたたずむ城の姿がかっこいい。
また、冬季はプロジェクションマッピングのイベントにより、松本城天守が幻想的な世界に包まれる。この時期しか見られない色彩豊かな城の景観は見逃せない!
■神秘の映像で彩られる松本城の「プロジェクションマッピング」
現存する五重六階の天守としては日本最古を誇る松本城は、姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに国宝に指定されている。これまでも冬のイベントとして、松本城をレーザーラッピングで彩るイルミネーションを開催してきたが、2023-2024シーズンからはプロジェクトマッピングで立体的に城を包むイルミネーションへとアップデート。
プロジェクトマッピングは、2023年12月16日~2024年2月14日に開催され、第1期~第3期の3つの期間に分けてそれぞれ「時代を駆ける歴史絵巻」「雪や氷、星のきらめき」「春の訪れ、花鳥風月」と異なる演出を楽しめる。
ちょうどこれから開催される第3期(1/27~2/14)では「春の訪れ、花鳥風月」をテーマとし、花などの色鮮やな映像が天守や石垣に映し出される。プロジェクトマッピングは18時~21時に、約12分間ごとに実施。さらに、天守への入り口となる「黒門」や、城の西側の堀に架かる赤い橋の「埋橋(うづみばし)」まで、広範囲に渡ってプロジェクトマッピングの演出を堪能できる。
■市街地もイルミネーションに彩られる
この松本城のプロジェクトマッピングは、「氷と光の城下町フェスティバル」というイベントのひとつ。イベント期間中は、城の周囲に広がる松本城公園内の樹木や石碑、市街地までイルミネーションで彩られている。特に市街地のイルミネーションは華やかでありながら温かみもあり、雰囲気がいい。市街地のイルミネーションの点灯時間は16時30分~22時。城の正面に延びる大名町通りや、女鳥羽川に架かる千歳橋などで冬の澄んだ空気にきらめくイルミネーションを見ることができる。
■氷彫フェスティバルも冬の風物詩
「氷と光の城下町フェスティバル」は、「光」と「氷」による冬の城下町を楽しむことを目的としたイベント。その内容はとても充実し、毎年1月には松本城公園で「国宝松本城氷彫フェスティバル」が行なわれる。
2024年の開催日は1月26日(金)~28日(日)。初日は町中の各所に氷像が展示され、2日目からはテーマに沿った氷像を氷彫師が一晩かけて作り上げ、松本城公園内に作品を展示するコンクールが行なわれる。氷彫師が夜通し作品を制作する様子を見ることができ、早朝の4時~5時頃になると、できあがった氷像作品がカラフルにライトアップされて松本城のお堀沿いにズラリと並ぶ。
完成した氷像展示は日中まで見学できるが、最終日に撤去されてしまうのでライトアップされた氷像を見ることができるのは早朝のみだ。