■3位 韓国岳から見た神秘的な大浪池
2023年の「登ってよかった山ランキングの第3位」は、6月に登った九州南部の鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島連山最高峰の韓国岳(からくにだけ・標高1,700m)である。
筆者はえびの高原から韓国岳に登り、美しい火口湖の「大浪池(おおなみのいけ)」を一周して、えびの高原に下山した。約10kmの道のりである。火山帯らしい景色と漂う硫黄の匂い、ゴォーという噴出音など、五感をフル活用しながら、火山を全身で感じた山行になった。
また、直径630m、周囲約2km、ほぼ円形の火口湖である大浪池は幻想的で、池を見ながら周回道を散歩して楽しい時間を過ごした。えびの高原の火山活動の状況と登山道等の規制については、随時ホームページ等で確認してほしい。
韓国岳の山頂では、霧が出てきて景色を見ることは諦めていたが、霧がサーッとなくなった瞬間に大浪池が突然姿を現し、思わず「わぁ〜」と声を上げた。幻想的な大浪池の姿が忘れられない山行となったので、2023年のランキング第3位とした。
●【MAP】えびの高原第一駐車場
アクセス:九州縦貫自動車道の横川ICから約30㎞、車で約45分。
■4位 北岳山荘から見たオレンジの雲と富士山
2023年の「登ってよかった山ランキングの第4位」は、9月に挑戦した南アルプスの北岳(標高3,193m)である。
筆者は広河原から登山を開始し、北岳山荘テント場で1泊、2日目は北岳から間ノ岳の稜線を歩き、農鳥小屋テント場でもう1泊、3日目は農鳥岳(のうとりだけ)を登り、大門沢小屋を経て奈良田まで下った。
北岳、間ノ岳、農鳥岳の3,000m級の稜線は絶景の連続だったが、予想以上にアップダウンが激しく、バックパックも重かったため、ヘトヘトの山行になった。
広河原から登り始め、北岳山荘のテント場までやっとの思いで着いたら、疲れもあって、あっという間に眠りに落ちた。しかし翌朝、驚くほど感動的なご来光に出会うことができた。
筆者は雲が朝日でオレンジに染まり、刻々と変化する風景が大好きだ。この雲の形と色はこの瞬間にしか存在しないので、その風景をなんとか写真に収めたくて、ひたすらカメラのシャッターを切った。絶景に出会えた山行だったが、ヘトヘトだった思い出が強く残っているので、2023年のランキング第4位とした。
●【MAP】野呂川広河原インフォメーションセンター
アクセス:
甲府駅からバス約2時間、身延駅からバス約2時間、伊那駅からバス約2時間
中部横断自動車道・南アルプスICから芦安まで約20分、芦安からバス、タクシー約1時 間 、マイカー規制のため奈良田、芦安、戸台からはバス、タクシーのみ
■5位 丹沢大室山で出会った霧氷
2023年の「登ってよかった山のランキング第5位」は、1月に登った丹沢の大室山(標高1,587m)である。大室山は丹沢北部、神奈川県と山梨県の境に位置している。
筆者は加入道山登山口から加入道山を経て大室山に登ったが、丹沢で「霧氷」が見られるとは思わなかった。霧氷とは、空気中の水分が急激に冷やされ、枯木に付着する現象で、「冬に咲く桜」とも呼ばれている。
大室山に登っている途中、頂上の方が白くなっていることに気がついた。それは雪の白さではなく、まるで桜の花が咲き誇っているかのような白さだった。真冬に桜が咲いているような不思議な光景に出会い、自然の美しさを実感した山行だったが、山頂の気温がマイナス3℃でとても寒かったので、2023年のランキング第5位とした。
●【MAP】加入道山登山口駐車場
アクセス:中央自動車道の相模湖ICから約30km、車で約50分。
今回は、登山歴6年の筆者が独自の視点で厳選した、2023年の「登ってよかった山ランキングBEST5」を紹介した。
筆者自身、多くの山行で「山の風景は天気に左右される」ことを実感してきた。絶景の山々を堪能したいのなら、なるべく天気が良い日を選んで登ることをおすすめしたい。2024年も素晴らしい山の景色に数多く出会えることを願っている。