山の風景は天気によって大きく左右される。天気が良ければ息を呑むほどの絶景に出会えることがあるが、ガスってしまったら何も見えない。
今回は登山歴6年の筆者が2023年に登った山の中で、絶景に出会えた山を独自の視点で厳選した、2023年「登ってよかった山ランキングBEST5」を紹介する。低山から高山まで、地域も関東から九州まで、様々な山々をラインアップした。どれも思い出深い山行なので、2024年の登山計画の参考にしてほしい。
■1位 丹沢表尾根のお地蔵さんに会いに行く
筆者が選ぶ、2023年の「登ってよかった山ランキングの第1位」は、12月に登った丹沢表尾根である。表尾根は丹沢南部に位置する塔ノ岳(標高1,491m)からヤビツ峠まで南東に延びる眺望豊かな尾根で、人気のコースだ。
筆者はヤビツ峠から登山を開始し、ニノ塔、三ノ塔、烏尾山、塔ノ岳までの表尾根を歩き、塔ノ岳から大倉に下った。約13kmの山行である。
三ノ塔山頂から塔ノ岳方面に少し歩いたところに地元の登山者に愛されている有名なお地蔵さんが佇んでいる。どなたかが帽子と肩掛けを定期的に取り替えてくれていて、筆者は「今日はどんな色の帽子や肩掛けかな?」と楽しみにしながら、毎年表尾根に行く。
12月の山行は天気が良く、富士山まではっきりと見渡すことができた。この絶景を毎日楽しめるお地蔵さんを羨ましく感じた。お地蔵さんの前には、手のひらサイズのお地蔵さんが一緒にいることに今年初めて気がつき、あまりの可愛らしさに思わずカメラのシャッターを切った。
筆者にとって丹沢表尾根は毎年歩くホームマウンテンであり、小さなお地蔵さんがとにかく可愛かったので、2023年のランキング第1位とした。
●【MAP】ヤビツ峠
アクセス:東名高速道路「秦野中井IC」から車で約40分
小田急線秦野駅よりバスで約45分、「ヤビツ峠」下車。
■2位 槍ヶ岳とご来光の絶景
2023年の「登ってよかった山ランキングの第2位」は、8月に登った北アルプスの槍ヶ岳(標高3,180m)である。
上高地から槍沢ルートを辿り、槍沢ロッジで1泊。翌日に念願の槍ヶ岳へ挑んだ。槍ヶ岳山荘テント場から見る槍の穂先とご来光、山頂から見渡す360度の絶景は、言葉で表せないくらいの感動をもたらしてくれた。
槍ヶ岳山荘から槍ヶ岳山頂までの標高差は約100mで、クサリやハシゴがいくつも設置されている。筆者は夢中でハシゴを登っていたが、途中で頭につけていたサングラスを失くしてしまった。山頂に到達した時に気づき、絶景を見る喜びとサングラスをなくした悲しみが入り混じる複雑な気持ちだった。
その時、後ろから登ってきた女性登山者が「誰かサングラスを落とした方いますか?」と声をかけてくれ、サングラスは無事に戻った。曇っていた気持ちが一気にパアッと晴れ、見える景色も一変したので、2023年のランキング第2位とした。
●【MAP】上高地
アクセス:上高地は通年マイカー規制あり
【松本方面から(マイカー)】
長野自動車道 松本ICから沢渡(さわんど)駐車場まで車で約1時間
沢渡駐車場から上高地までバス、タクシーで約30分
【高山方面から(マイカー)】
中部縦貫自動車道 高山ICから平湯あかんだな駐車場まで車で約45分
平湯あかんだな駐車場から上高地までバス、タクシーで約30分