■“ととのう”とは“調身・調息・調心”である

 “ととのい”を漢字で書くときに「整い」と書かれることが多いが、僕は「調い」の方がしっくりきていると感じる。座禅の世界では、調身・調息・調心という3つの基本があるが、その感覚に近いものを感じるのだ。

 ストレス過多の現代人は、手のひらで例えると、心身の感覚が力の入った「グー」の状態になっていることが多い。でもサウナに入ると、すべての悩みがどうでもよくなり、心も体も解放されて「パー」の状態になる。グーは人を殴って傷つけるが、パーは人を優しく包み込むことができるし、手を繋ぎ合うこともできる(みんなサウナやってれば、世界から戦争はなくなるはずだ)。

 定義こそないけれど、そんなゆるふわな状態こそが、本当の意味での“ととのい”状態なのかもしれない。

深く“ととのう”と誰もが仏のような穏やかな表情になる

 ブームは廃れることがあるが、ことサウナに関しては、もはやそういう領域には入っていないと思っている。ヨガや坐禅のように、古くから人間社会の“ととのい”を担ってきた普遍的なものだからだ。

 悩み事にまみれていたり、体に不調を感じちゃった時は、まずは一回近場のサウナで蒸されてくるといいだろう。サウナの扉の先には、きっと新しいあなた(本来のあなた)が待っているはずだ。

 Don’t think!feeeeel!