アウトドアには様々なアクティビティがあるように、屋外活動向けの時計にも多種多様なモデルが存在します。アウトドアで使いたいリストウォッチの名品を紹介する「野外活動時計図鑑」の第1回は、機能美と汎用性に優れたシチズン・プロマスターのフィールドウォッチ「PMD56-2951」を紹介します。

■過酷な環境に耐える信頼性と機能性を持つシンプルな一本

 丈夫で視認性に優れ、シンプルに徹した機能美が魅力のフィールドウォッチ。今回紹介するシチズン・プロマスターの「PMD56-2951」(価格88,000円・税込)は、最先端の技術をフィールドウォッチに投入したタイムピースです。

 プロマスターはシチズンが過酷な環境にも耐えうるプロフェッショナルスポーツウォッチとして開発したブランドで、海や水辺での仕様を想定したダイバーズ系の「MARINE」のほか、パイロットウォッチの「SKY」。そして「PMD56-2951」をラインナップする陸上での仕様を想定した「LAND」シリーズが用意されています。

シンプルに徹したケース形状で腕なじみも良好

 アウトドア愛好家に支持されるフィールドウォッチの起源は、20世紀初頭に起きた第一次大戦で登場した「ミリタリーウォッチ」にあります。

物にぶつけてキズになりやすいバックル部のチタニウムパーツにも、シチズン独自のデュラテクト加工を施しているのでキズが入りにくい

 集団行動をする軍隊にとって、正確な時刻を知ることは重要ですが、大戦初期の20世紀前半の時計は懐中式が主流。当時の兵士は革ベルトなどで懐中時計を手首に固定していたものの、不安定で見にくく、泥だらけの塹壕(ざんごう)で懐中時計はあっけなく壊れてしまい、高い耐久性や視認性を持つ腕時計型の時計、いわゆる「ミリタリーウォッチ」が誕生します。

 終戦後兵士たちは故郷に帰還すると、戦場で便利さを知った腕時計(=ミリタリーウォッチ)を日常生活でも愛用。生活必需品として一般化することで、いつしか「フィールドウォッチ」と呼び親しまれ、懐中式からリストウォッチへと時計の主役が変化するきっかけの一つをつくりました。

ボタン操作のワンタッチでブレスレットを一コマ分調節できるフィットアジャスターを使えば、ゆとりを持たせてリラックスしたいときにも重宝

 シチズン・プロマスター「PMD56-2951」は、そんな背景を持つフィールドウォッチを最先端の技術と素材でブラッシュアップしたモデル。20気圧防水をはじめとする高いポテンシャルとシンプルに徹したたたずまいは、キャンプやアウトドアに最適といえます。

■独自の表面処理技術でチタニウム素材の弱点をカバー

 直径39mmとやや小ぶりのサイズのケースに時・分・秒を表す3針と、日付と曜日のデイ&デイト表示。そして、深いグリーンのダイヤル(文字盤)に乳白色のアラビア数字のインデックスなど、ややクラシカルな印象を与える「PMD56-2951」。

ソーラー電波時計としてはレアなデイデイト(日付・曜日表示)機能を搭載。曜日は日本語表記も選択できる

 シンプルな時計を手にして気がつくのはその軽さです。ケースだけでなくブレスレットやバックルにまでチタニウム素材を採用しているため、96gという想像以上の軽さに驚かされるというわけです。

 軽く耐食性に優れたチタン素材ですが、唯一ともいえる欠点が素材の表面が柔らかいためキズがつきやすいこと。

 「PMD56-2951」には、シチズン独自の技術である“デュラテクト処理”で表面硬度を高めたスーパーチタニウムを採用。ステンレススチールの5倍以上の硬さがあるため、細かなキズを気にせず使えるというのもアウトドアでは強い味方になります。

ケース本体だけでなく、ブレスレットにまでチタニウムを採用

 著者はキャンプや釣り、サイクリング時にも「PMD56-2951」を着用。これまでに不注意で時計を何かにぶつけて冷や汗をかいたことも多々ありましたが、幸いなことに目立つようなキズはついていません。

 ステンレススチールの時計に比べ4割ほど軽い重量や、11.4mmという薄さが生み出す軽快感。そして、キズのつきにくい使い勝手のよさでフィールドウォッチとしてはもちろん、普段使いの時計としても使用頻度はかなり高くなっています。