■新たな山小屋をサポートする1つの手段
今シーズンから新たに山小屋を引き継ぐ小宮山さんにとって、どれだけの人が利用してくれるのか、山小屋や登山道を整備する資金をどう調達すればいいのか、不安は尽きません。
そこで、この事前宿泊券の販売を通して、少しでも先行きを見通そうというわけです。
「私たちには、宿泊券を事前販売させていただくメリットはめちゃくちゃあります。では、お客さんのメリットはなにか? 正直、先に購入していただくメリットは大きくはありません。なので、、、心ばかりではありますが、ちょっとよいビールを1本(お酒を飲めない方には別のドリンク)サービスさせていただこうと思います。初年度なので、できることは限られるとは思います。本来は、今年度の収入で来年度の備品を準備することが筋でしょう。でも、今年のヘリの荷揚げ前に備品を揃えることによって、利用者の皆さんにより良い空間で少しでも居心地よく過ごしてもらいたいと思っています」
■足を運ぶことがサポートになる
チケットの期限は今シーズンに限らず、小宮山さんが管理人を務めている間は有効です。不測の事態が発生した場合は、払い戻しが可能。土日祝日、お弁当代など、追加料金発生に関しては当日現地で精算となります。
「本当はオンライン決済にしたかったんですが、まだシステムが整っておらず。とてもゆるい方法ですが、山小屋のインスタグラム@tekatekatekariにて購入方法を掲載しています。ぜひ、ご協力ください」
光岳小屋は立地上、ただでさえ荷上げや整備が大変なうえ、山小屋運営初年度は苦労が尽きないでしょう。さらに、コロナ対策のための宿泊人数削減や物価上昇など、さまざまな不確定要素も待ち受けているに違いありません。
そんな状況に挑む若い小屋番の挑戦への一番のサポートは、山に足を運ぶこと。少し気の早い話かもしれませんが、今シーズンの山行計画の1つに「南アルプス・光岳」を組み込んでみては?