■ニュージーランドを参考に日本でもできること

 最終日はゴールまで約12kmの原生林を歩くトレイル。生きもの観察が楽しい。例えば、花粉が紫色の花が咲くツリーフューシャという木があったり、マオリ族が葉を煮て傷の手当てに使ってきたワインベリーという木を観察することができた。撮影して後で調べるのもいいのだが、事前に書店やビジターセンターで図鑑を入手し、その場で調べると、どんな場所で生きているのかもわかってより楽しい。そしてゴール手前の森では、レンジャーが激減したと話していた山岳地帯に生息する大型のオウム、ケアにも出会うことができた。

日本のトレイルには日本ならではの良さがある

 この旅をきっかけに、国立公園の管理手法がニュージーランドと日本でこんなにも違うことことを知ることができた。ニュージーランドやアメリカのような、手付かずの自然を国の予算で保全することは日本では無理そうだ。だから市民力で補うことに期待したい。そのためにも日本の国立公園の状況をもっと多くの人に知ってもらいたい。一方で、日本は訪れたい国ランキングで常に上位となる国。自然だってニュージランドに負けてない。サステナブルな仕組みを整えつつ、世界中の観光客が日本の自然を目指す時代を目指したいものだ。

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