雪国の山肌にも新緑が萌え、ようやく春の訪れを感じるようになってきた。釣りをしながら沢を歩いていると、「コゴミ」が旬を迎えているのが目に入った。さっそく釣りをやめて山菜採りに方向転換! 山菜を探す山歩きは、宝探しみたいでおもしろい。

■「コゴミ」ってどんな山菜?

先端が渦巻き状態で食べ頃の「コゴミ」

 正式名称はクサソテツ。シダ植物だ。雪が溶けてしばらくすると地上に顔を出す。生えてきたばかりは、葉先がクルクルと渦巻いたような状態で、成長と同時に葉を開きながら背丈を伸ばしていく。若いときは葉が柔らかく、そのまま生でも食べられそうなほど。見分けやすく初心者でも採りやすい山菜のひとつだろう。

■どこで採れるの?

沢筋の斜面に生える「コゴミ」。見つけることができる? 白馬村

 湿り気のある場所、沢地形に生えていることが多い。谷間の河原などでよく見かける。雪解け後しばらくすると林床に顔を出してくる。時期的には、地域やその年にもよるが4月下旬から5月いっぱいが食べ頃の状態だ。深い谷間では遅くまで残雪が残るので、その分生育も遅い。初夏でも採れるときもある。

 探す楽しみ、見つける喜びにワクワクするが、私有地や植生が保護されている場所で採取する訳にはいかない。山菜が豊富な山で自由に入れるところは少ないが、「コゴミ」は沢沿いに生えているので、比較的自由に採れる場所が多い。

採れたてが美味しいので、採取は必要最低量にしておきたい。

 収穫は欲張らずに。大きめの株から食べ頃の状態のものをちょっとずつ摘み取らせてもらう。くれぐれもひと株全てを取らないようにしたい。毎年持続して楽しむための最低限のマナーだと思う。

■春の森の植物を楽しもう!

林床で力強く咲くカタクリ

 冬から目覚めたばかりの春の森は、見通しが良く散策していても楽しい。草木の葉が生い茂る前は視界が開けているので、いろんな植物が目に付きやすい。他のシダの仲間や、ウコギ科の新芽なども容易に見つけられる。採取目的だけでなく、花々を愛でるだけでも幸せな気持ちになれるだろう。スプリング・エフェメラル(※1)たちが目を楽しませてくれる。

※1 春のはかないもの、短命、春の妖精などと訳される。早春にいち早く開花し、他の植物が生い茂る頃には成長を止めて次の春に備えて林床で眠りにつく。春植物の代表的なカタクリをはじめオオミスミソウ、スミレ、キクサギイチゲ、バイモ、エンゴサク、ショウジョウバカマ、セツブンソウ、フクジュソウ、など優しい色彩の花々が多い。

可憐な花を風になびかせるキクサギイチゲ
湿地には小ぶりなミズバショウも咲いていた
ハリギリ 」。スギなどの二次林では他にも「タラの芽」「コシアブラ」などのウコギ科の山菜たちに出会えるかも

■シンプルに茹でただけでも美味!

お湯に入れるとエメラルドグリーンに色合いが変わっていく

 沸騰したお湯に入れて色がパステル調、エメラルドグリーンに変わったら茹であがりだ。おひたしにしたり、味噌汁に入れてもいい。天ぷらも定番ながらオススメ。アク抜きの必要もないので手間もかからない。茹でたり揚げたり、クセもないのでどんな料理にも合う春の味覚だ。

茹でただけの「コゴミ」をマヨネーズと七味唐辛子でいただく

 採れたての「コゴミ」はみずみずしく、食べると山の栄養が身体に染み渡っていくような感じがする。茹ですぎると食感が乏しくなるのでご注意!!