■竪堀に負けず劣らず個性的な弧を描く横堀

 圧巻の二重堀切を存分に堪能した後、来た道を引き返す。先ほどは強烈なインパクトを感じた主郭北の大堀切、やはり何度見てもグッとくる。

大堀切。右上が主郭

 主要部はひと通り見て回ったので、あちこち細部へ。まずは主郭西の斜面にある巨大な竪堀へ。これまた特異な構造で、上部が2本で途中から合流して1本に。大堀切に接続する二重堀切とは、ちょうど逆になっている。合流した先の幅は狭いが、竪堀自体の深さはここが城内で最大に見えた。

主郭西の竪堀

 続いて、主郭から並ぶ三段の曲輪の最下段から南東へ。すると今度はグルリと三日月状に弧を描く横堀。

横堀の東部分
横堀の西部分

 この横堀の内壁にも、よく見ると二重堀切のそれと同じように石積み。そして面白いのが、半円状の横堀の東西両端が竪堀状になっていることだ。これまたあまり他では見られない構造だといえる。

横堀東端の竪堀。やや浅い
横堀西端の竪堀。こちらの方が明確

■南斜面には巨石がそこかしこに

 登山口方面へのショートカットのため、西端の竪堀から急斜面にへばりつくような小道を進む。頭上には巨石が山肌にゴロゴロ。「落ちてこないよな……」と少しビビりつつ進む。登り石垣のような構造物も見える。竪堀や横堀しかり、これだけ石があれば活かさない手はないよな、と納得。

斜面のいたるところに巨石が剥き出しに
石垣というより斜面を補強するための石積みか

 横堀から城の南面を5分も進むと、見覚えのある竪堀が目の前に現れた。見上げれば、城内に辿り着いたことを実感した、内田城南西端の堀切だ。

南西端堀切から南へ落ちる竪堀

 初めにこの堀切を目にしてから、約2時間半。これにて内田城のほぼ全域を踏破したことになる。城域は南北約200m、東西約120~130mほどで、それほど広大ではないが、とにかく遺構の充実ぶりが素晴らしい。しかもどれもが独特で見どころに事欠かず。かつ、残存状態が良好で実にキレイな形状で残っている。

 阿波を奪われても元親が降伏せず、土佐の東を守る内田城で籠城していたら。城内を巡る間中ずっと、そんな想像を膨らませていた。知られざる城だが、土の城としては土佐随一、いや四国でも三本の指に入る名城だといっても過言ではない。

 

●【MAP】内田城(高知県東洋町)