広大な北アルプスの北部に連なる後立山連峰のうち、白馬岳を中心とする山群が白馬連峰。とりわけ白馬岳、白馬鑓ヶ岳、杓子岳から成る「白馬三山」が有名だろう。その白馬鑓ヶ岳の南側に延びる、天狗尾根の稜線に建つのが「天狗山荘」だ。稜線ならではの大展望や自慢の料理など、天狗山荘の魅力について深堀りしていきたい。

■天狗山荘のロケーション

稜線にポツンと建つ「天狗山荘」。大展望が広がる最高のロケーションに恵まれている

 天狗尾根の稜線上、標高2,730mに位置する「天狗山荘」は白馬村村営の山小屋。テント場も併設されており、山小屋泊・テント場利用のどちらの場合も完全予約制となっている。白馬三山と不帰ノ嶮(かえらずのけん)の間にたたずむこの小屋は、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳へと続く「白馬三山」の稜線への縦走に出かける拠点に最適。もちろん、逆から縦走してきてここに泊まるのもありだ。

 また、登山エキスパートには、唐松岳へと続く天狗尾根を進み、日本三大キレットのひとつとして知られる「不帰キレット」に挑む前泊の拠点として、あるいはその難所を越えてきた後の宿泊地として重宝されている。いずれにせよ、厳しい自然のなかで登山者を温かく迎えてくれるオアシスのような存在といえるだろう。

主要登山口のひとつ猿倉。ここから白馬鑓温泉を経由して天狗山荘を目指す

 天狗山荘へ登る・下る場合の一般的な登山口のひとつが猿倉だ。しかし、2026年は猿倉登山口までの交通規制や駐車場の復旧工事が行われているため、猿倉駐車場まで一般車の乗り入れはできなくなっている。マイカー利用者は白馬村中心部近くの無料駐車場を利用し、八方バスターミナル等から路線バスを利用することになる。このバスも現在は予約制になっている。もしくは、白馬駅周辺からタクシーを利用するという手もありだ。猿倉から入山・下山する場合は、事前に最新情報を必ずチェックしておこう。

猿倉から樹林帯を抜け小日向山を越えるとひたすら登りが続くタフなコース
初夏まであちこちの沢に雪渓が残っているのが見える
ときには雪渓をトラバースする場所もでてくるのでアイゼンは必須
高山植物に癒されながら一歩ずつ斜面を登り進める
白馬鑓温泉小屋を越えるとさらに急斜面が続く

 例えば、猿倉から天狗山荘を目指す場合は、白馬鑓温泉を経由するルートを進んでいく。最初は樹林帯を黙々と登っていくが、森林限界を超えると景色が変わり白馬連峰や周囲の山並みが楽しめるようになる。急登やガレ場、ときには鎖場なども通過し、ルート沿いには高山植物が咲き乱れ、真夏でも雪渓が残るなどダイナミックな大自然を堪能しながら進んでいくことができる。

 やがて白馬鑓ヶ岳がそびえる稜線が近づき、もうひと踏ん張りして登り詰めると稜線に出る。この稜線上の分岐を唐松岳方面に進めば、すぐに天狗山荘が見えてくる。

後半はガレ場が多く鎖場などもある。ひたすら稜線を目指して登る
白馬鑓ヶ岳の稜線まで上り詰めたらあとは横移動
白馬駅から猿倉へのバス情報はこちら