まだまだ、残暑が厳しいこの季節。涼を求めて、南アルプスに登るのにもいい時期です。
下山後のリフレッシュには、甲府盆地を見下ろす標高370mの丘に建つ「みはらしの丘 みたまの湯」(山梨県市川三郷町)がおすすめ。
なんと、温泉総選挙「絶景部門」4年連続日本一! 温泉施設初の「夜景100選」「日本夜景遺産」ダブル認定の眺望に加え、4つのプレートの裂け目(フォッサ・マグナ)から湧き出す貴重なお湯も魅力の施設です。
■甲府盆地の大パノラマと、「地球の体液」と称される茶褐色の湯
この施設の魅力は、湯船からの大パノラマと、世界的にも珍しい地質が生み出すお湯にあります。
露天風呂の目の前に広がるのは、甲府盆地。そして、南アルプスや八ヶ岳の山並み。さらに、空へと続く深い青のグラデーション。正面に八ヶ岳、左手に南アルプスの北岳や鳳凰三山、右手に茅ヶ岳や奥秩父の瑞牆山・金峰山と、まさに山梨百名山のオールスターが勢揃いする見晴らしは圧巻です。この丘からの絶景は、写真には収まりきらないスケールがあります。
また、みたまの湯は、北アメリカ・ユーラシア・太平洋・フィリピン海という4つのプレートがひしめき合う大地の裂け目「フォッサ・マグナ」の上に位置しています。その地下深くから湧き出すのは、約300万年前の太古の植物に由来する天然有機物を含んだ茶褐色のモール温泉。世界的にも珍しい地質が生んだ“地球の体液”とも称される貴重なお湯なのです。
■まずは桃畑を抜けて丘の上へ
みたまの湯へ向かう道中、窓の外には桃やとうもろこしの畑が広がります。このあたりの土壌は、方言で「のっぷい」と呼ばれるきめ細かく肥沃な大地。丘を登っていくと、その名を冠した「のっぷい農産物直売所」と隣り合う「みたまの湯」に到着します。
靴箱と脱衣所のロッカーはそれぞれ100円リターン式なので、100円硬貨を2枚用意しておきましょう。
館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのがお土産ショップの充実ぶり。地元の特産品や、この温泉が描かれた「ゆるキャン△」の関連グッズが揃います。ショップの隣には専門のスタッフがいる、ハンコ製作コーナーがあることに驚きました。不思議に思って調べてみると、じつは市川三郷町はハンコ生産日本一の町なのだそうです。
■浴室に一歩入った瞬間に窓の外の景色に驚く
浴室は「藤の湯」と「牡丹の湯」があり、毎日男女入れ替え制。甲府盆地に向かって隣り合っているので、景色に大きな違いはありません。筆者が訪れた日は、女性が「牡丹の湯」でした。
浴室に入った瞬間、正面の大きな窓の向こうに広がる甲府盆地の景色に目を奪われます。同時に漂ってくるのが、モール温泉特有のいい香り。
内湯は中温(約40℃)と高温(約41.5℃)の2つの浴槽が、だんだん畑のように段差をつけて配置されています。透明感のある茶褐色の温泉は、マイルドなアルカリ性単純温泉で優しい肌ざわり。洗い場の数も豊富で、暑い時期は冷やしシャンプーや冷やしボディソープを用意。泡で出てくるクレンジングソープも備え付けられています。