梅雨の最中、暑かったと思えば急に寒い日があったりしていますね。各地で山開きや登山道整備が進んでいます。いよいよ夏山の登山シーズンが本格化していきます。装備の準備も進めなければなりません。
山登りに欠かせないのは登山靴です。安全で快適な登山は足元から。季節やルートに合わせた適切な靴選び。そして山行前には早めに状態を確認して、状態に応じて新調する必要があります。
■求めたのは、低山やアプローチの林道歩き、そしてアルプスでのトレッキングまで幅広くこなす一足
長野県を中心に山仕事や撮影活動をする筆者は、夏山では、南北・中央アルプスなどの標高の高い山々を歩くことも多いです。アプローチでは軽く歩きやすく柔軟性があり、それでいて重い装備を背負って登り下りする急な斜面や岩場でも信頼がおける登山靴が必須です。雨中での行動を余儀無くされることもあり、防水性と透湿性の高いものがマストです。
日本の老舗登山靴メーカー「キャラバン」GRANDKINGシリーズのGK_ALT HI(ジーケー エーエルティー ハイ)。この靴は北アルプスなどの岩稜を、ときにはテント装備を背負って歩くような山行を想定して作られています。それでいてアプローチや低山でも快適に歩けるという、オールマイティさも併せもっている対応幅が広い一足。本格的な夏山シーズンが始まる前に、その実力を試してみました。
■シックな外見、だけど細部まで徹底的に作り込んである!
まずは外見から。スウェードレザーで覆われたアッパーに目を奪われます。一見するとシックですが、内部にはGORE-TEXラミネーションが施されており、高い防水透湿性をもっています。ある種登山より過酷な雨中での登山道整備でも、長時間にわたるウェットコンディションでの使用でも濡れが気になることはありませんでした。
つま先近くまでシューレース部分があるのも目立ちます。これによって細やかに足にフィットさせることが可能です。ラバー製のトゥガードは、そのまま外周を取り囲んでいて、傷や衝撃からもしっかりと足を守ってくれます。
気になるのがミッドソール部分。足先と踵のブルーに挟まれて、中央部がグレーになっている点です。スタイリッシュな印象を受けますが、これはデザインというだけではありません。密度を使い分けて柔軟性と耐衝撃性を兼ね備えているようです。前後の硬いフォームは着地時の安定性、それでいて程よいハリは岩場での立ちこみでも安定感があって、重荷を背負っての歩行やテクニカルな岩場での登り下りを助けてくれます。一方、中央付近の柔らかめのフォームはソールの衝撃吸収性と柔軟性に富んでおり、ハイキングシューズ的な自然な歩き方もたらしてくれます。
※ 帰宅後すぐに洗って綺麗にすることも忘れずに(下山時に軽く落とせるようであればそれも大事)。早い方が汚れも落ちやすいですし、靴も長持ちします。また、外来生物を含めた他地域への種子の持ち込み防止にもつながります。
■登山靴の核心部、アウトソールはいかに?
さて肝心のアウトソール、いわゆる靴底には「ヴィブラム・MEGA GRIPコンパウンドのPEPEソール」を採用しています。MEGA GRIPコンパウンドは登山、アウトドア向けのラバーコンパウンドとして絶対的な信頼性を誇ります。それを最小限の重量で、最大限幅広い地形に対応するようにデザインされたのがヴィブラムPEPEです。
中央のハニカム構造のラグパターンは、変化する状況、地形に余すことなく追従してグリップしてくれます。つま先部分には岩場で細かなホールドを捉えやすいクライミングゾーンを、踵にはより安定したブレーキ力を発揮するゾーン、両サイドにはより小石や泥を排出しやすいパターン、登山で出くわすあらゆる状況に対応できるように設計されています。
実際、雨上がりの登山道の下り、他の登山者たちが歩いた粘土質の斜面にはスリップした跡も残っていましたが、きちんと重心を落としてフラットに靴を置くとしっかりとグリップしていました。試しに急な角度の岩の上にも足を置いてみると、粘りつくように岩肌を捉えてくれているのを実感しました。あとはソールが減っていったときにもこのグリップ力が保たれていれば文句なし。履き続けるのが楽しみです。