■予想外の悪路っぷりに悪戦苦闘! 快適なロードは天国

予想以上に自然に還っている道。これでもマシな部分で、一応車の通行も禁止はされていません

 関川を渡ればすぐに県境を越えて信濃町です。あっという間に長野県に戻ってきました(笑) このところ寒気の影響で山には雲がかかっている日が多かったのですが、今日は見えそうです。山里をゆるゆると登っているとすぐに暑くなり、やさしく吹き抜ける風が癒しです。

 山のなかに入っていく道は、草で覆われて見落としそうなほど。晴れてはいるものの雨上がりの風物詩“ぬかるみ”。うっそうとした下生えは、やがて見事に薮になりました。倒木も次々と行く手を阻むので、けっきょく下車して押すはめになりました。途中から重機が入り道普請しているようで、状態はだいぶ良くなりました。

水たまりや“ぬかるみ”だらけ。防水ソックスがかなり心強かったです

 しかし、相変わらずぬかるみだけはしつこく残り、47Cという太いタイヤを履かせていても、ロードも視野に入れたグラベル用のタイヤパターンではどうにも太刀打ちできません。空転しては横転……。途中からビンディングをはめないようにしました。

 さらに(カメラ)機材トラブルに見舞われ、撮影にかなり時間がかかり、気力、体力もずいぶんと削られました。

 ようやく舗装路に出たときは、正直ほっとしました。ヒルクライムもどんどん前に進むし、峠を越えてダウンヒルに転じれば、もう天国です! 「ロードバイクが欲しいな」なんて思いながら颯爽と風を切って疾走しているうちに、何か所か予定の分岐を過ぎてしまっていたのでした……。

■ハイライト! ワンチャン絶景と極上グラベルライド

「古海(ふるみ)」集落ののどかな景色。奥に見えるのが「斑尾山」です
集落を棚田のなかをヒルクライム。陽光に水面をきらめかせる野尻湖と鎮座する黒姫山
途中で脚は売り切れ。黙々と標高を稼いでいきます

 田園、集落、そして棚田を抜けたら狭い車道を「斑尾(まだらお)山」「大明神山」の登山口へ向かっていきます。今回一番のヒルクライムが始まりです。舗装はしてあるものの、通る車もほとんどいないのでしょう、枝葉が堆積していて、そしてスタート後に溜めた疲労が災いし、またしても途中で自転車を降りてしまいました……。

「しらかば台」の木陰で休憩。ここで笹団子(白餡)をいただきました

 エゾハルゼミが騒々しく囃し立てるなか、ブッポウソウやツツドリがのんびりとした声を響かせています。季節が巻き戻されたように涼しいのがせめてもの救い。日陰を辿るようにして「しらかば台」まで来ました。

 ここからは等高線に沿うように、ながらかな傾斜で続く砂利道です。極上のグラベルロードの始まりです! 700mほど進んで今回もっとも高い標高996m付近。30mほどですが、ちょうど西側の視界が開けている場所がありました。

ダイナミックに広がる絶景! 北信五岳の最高峰「妙高山」、そして「黒姫山」。眼下に野尻湖が水を湛えています

 九十九折りの区間で一切(あまり余裕がなかったので、たぶん)見ることができなかった山並みを一気に眺めることができました。ダイナミックに広がる絶景! 北信五岳の最高峰「妙高山」、そして「黒姫山」。眼下に野尻湖が水を湛えています。中層にもうっすらと雲たなびかせている様子が幻想的で、幾度も見てきた眺めだけれど、苦労して登ってきたのが報われた瞬間に疲れもふっとびます。天気予報を鑑みて、予定を一日ずらしたのが正解だったと心底嬉しくなりました。

調子に乗って走っていると、いきなり水たまりのオプションも!

 この先、傾斜は幾分増していきますが道の状態もよく、長い極上のグラベルライドが麓まで続いていきました。途中、軽トラと一台すれ違っただけで、木漏れ日が美しい貸切りのライディングは本当に幸せでした。