キャンプツーリングの最大の魅力は、バイクならではの機動性を活かし、行きたい場所へ気軽に立ち寄れることだ。予定になかった景色やスポットに出会い、その場の気分で寄り道できる自由さは、バイク旅ならではの楽しみといえる。また、積載量に限りがあるからこそ、お気に入りのキャンプギアを厳選し、自分好みの旅を演出できる面白味もある。
だがその一方で、積載量の少なさが「どうやって荷物を積めばいいの?」「積み方にコツはあるのかな?」という悩みにつながる初心者も少なくない。
バイクの場合、荷物はただ積めばよいというものではない。積み方を誤るとハンドルが不安定になったり、必要な荷物をすぐに取り出せなかったりと、走行やキャンプの快適さに影響することもある。
今回は、キャンプツーリング歴9年の筆者が、初心者がやりがちな失敗を7つ紹介し、失敗が起こる原因と対策をわかりやすく解説する。積載のポイントを事前に押さえておくことで、初めてのキャンプツーリングも自信を持って出発できるはずだ。
■やりがちな失敗1. レインウェアを奥の方に入れてしまい大混乱
バイクにとって天敵ともいえるのが突然の雨だ。キャンプツーリングでも、急な天候の変化に見舞われることは珍しくない。
近くに雨宿りできる場所があればよいが、山道や田舎道ではすぐに避難できないことも多い。そんなとき、レインウェアを荷物の奥にしまっていると、取り出すために荷物をすべて降ろさなければならない。その間にライダーだけでなく荷物までずぶ濡れになってしまうこともある。
車は屋根があるので雨を防げるが、バイクには屋根がないため、一度濡れてしまうと乾かす場所がなく、不快な状態が続く。また、濡れたまま店舗や施設を利用すると周囲に迷惑をかけるので、利用を避ける必要があり、その後の予定にも影響が及ぶことが多い。そのため、バイクでは雨対策がとくに重要なのだ。
上開きタイプのサイドバッグはシートバッグ(後部座席やリアキャリアに固定して荷物を運ぶための収納バッグ)を装着すると開けづらくなる。また、リアボックスも積載方法によっては荷物が邪魔で開閉しにくくなるので注意が必要なポイントだ。
キャンプツーリングでのおすすめは、横開きタイプのサイドパニアだ。上部に荷物を積んでいても開閉しやすく、必要な道具をすぐに取り出せる。
サイドパニアがない場合でも、雨具など使用頻度の高い物はシートバッグの最上部やサイドポケットなど、すぐに取り出せる場所へ収納しておこう。急な雨にも素早く対応でき、余計なストレスを減らせる。
■やりがちな失敗2. 積載バランスを誤ると大事故に!
積載バランスには、細心の注意が必要だ。左右の重量が偏ると荷崩れしやすくなり、高く積み上げすぎると重心が高くなり、走行中にハンドルがブレやすくなる。
積載バランスが悪い状態でスピードを出すと、後方荷重によりシミー現象(走行中にハンドルが細かく左右に振動する現象)が起きやすくなると言われている。最悪の場合、車体のコントロールを失い、転倒や事故につながる恐れがある。
荷物を積む際は、左右のバランスと荷物の高さを意識することが大切だ。重い荷物はできるだけ低い位置かつ車体の中央寄りに配置し、荷物全体の高さも抑えることで、安定した走行につながる。
■やりがちな失敗3. 後先考えずに荷物を入れすぎる
キャンプ道具は、バッグ等に詰め込みすぎないことが大切だ。出発時に容量いっぱいまで荷物を入れてしまうと、途中で食材を購入した際に積載スペースが足りなくなってしまう。
キャンプでは現地のスーパーや道の駅で食材を調達することも多く、あらかじめ積載スペースを確保しておく必要がある。また、旅先で見つけたお土産を購入することもあるだろう。
出発時はバッグの容量を7〜8割程度に抑えておくと、急な買い物にも対応しやすく、余裕を持ってキャンプツーリングを楽しめる。
■やりがちな失敗4. シートバッグのライダー側に硬い物を入れてしまい、乗り心地が悪化
意識していないと、シートバッグのライダー側に硬い物を入れてしまいがちだ。
筆者は調理器具などの硬い荷物をライダー側に入れて出発したことがある。走り始めは気にならなかったものの、長時間走るうちに背中へ荷物が当たり続け、積み直したくなるほど不快だった。景色を楽しむ余裕もなくなり、「こんなに積み方で変わるのか」と痛感した経験がある。
ライダー側には衣類や寝袋などの柔らかい物を配置すると、背中への負担を軽減できる。長距離のツーリングでも疲れにくくなり、快適な走行につながるだろう。