■初日は見晴に滞在 

6軒の山小屋が並ぶ見晴。今回の宿は「桧枝岐小屋」

 赤田代を進んでいくと、村落のようなにぎやかな場所が見えてくる。そこが、本日滞在する見晴だ。尾瀬ヶ原東端に位置するこの場所は、主要な登山コースが交差する尾瀬最大の宿泊拠点だ。エリア内には6軒の個性豊かな山小屋が並び、どこも歴史とおもてなしの心にあふれている。そんな個性あふれる山小屋のなかから、今回は「 桧枝岐(ひのえまた)小屋」に滞在する。尾瀬に詳しい人から「ここは布団がふかふかだから疲れが取れる」と教えてもらったことが決め手となった。

尾瀬の魅力を味わえる歴史とおもてなしの心にあふれた山小屋
品数豊富でボリューム満点。1日の疲れを吹き飛ばしてくれる手作り料理

 尾瀬の地に山小屋の灯をともして60年以上の歴史をもつ名物宿で、食卓にはボリュームたっぷりな手作りの料理が並ぶ。入浴施設もあり、優しい香りが漂う木の浴槽で疲れた身体を癒すことができる。また、併設の喫茶「ひげくま」はランチ営業だけでなく、食後の団欒の場としても最適で、温かみのある空間でゆっくりと山の夜を過ごすことができる。

心身ともに癒せる名物宿「桧枝岐小屋」

■翌日は見晴から尾瀬沼へ 

見晴がある尾瀬ヶ原方面から白砂峠を越えて、尾瀬沼に向かう

 見晴は尾瀬ヶ原の東端の玄関口にあたり、エリアのすぐ目の前には広大な高層湿原が広がっている。一歩外に踏み出せば、どこまでも歩いていきたくなる開放的な景色が広がっているが、今回は反対側に位置する尾瀬沼へ向かうため、早朝に少しだけ湿原の散策を楽しんだ。

 朝の静かな湿原散策を堪能した後は、尾瀬沼へと続く白砂峠への上りにとりかかる。深い森の峠道を越えると、やがて視界が開け、尾瀬沼の西端のほとりにあたる「沼尻」に到着する。

峠を越えると池塘のある湿原が見えてくる
尾瀬沼の西側にある沼尻からの眺め。休憩ポイントもある

 沼尻から池の対岸へと移動すると、尾瀬沼ヒュッテや歴史ある長蔵小屋が集まる東岸エリアに到着し、ここで昼食休憩をとる。池のほとりにある展望地からは、湖面越しに雄大な燧ヶ岳の姿を見ることができ、休憩にぴったりだ。

尾瀬沼の東岸から見た燧ヶ岳。風のない日は水面に山が逆さに写る
「尾瀬沼ビジターセンター」ではジオラマや映像で尾瀬沼の歴史を解説。歩荷体験もできる

 この尾瀬沼は、目の前にそびえる燧ヶ岳の噴火によって川が堰き止められて誕生したもので、エリア内にある「尾瀬沼ビジターセンター」では、尾瀬沼誕生の歴史などがジオラマや映像でわかりやすく解説されている。

 また、リアルタイムの開花や登山道情報、尾瀬の四季の移り変わり、動植物の生態を知ることもでき、山小屋へ荷物を運ぶ「歩荷(ぼっか)」が実際に背負う 背負子を体験できるコーナーもある。尾瀬の文化にも深く触れられる充実したひとときとなった。

「尾瀬沼ビジターセンター」で尾瀬の自然と文化に触れる

■ゴールは沼山峠! そして再び奥只見へ 

尾瀬沼の北岸に広がる「大江湿原」は花の宝庫として知られている

 尾瀬沼を後にし、尾瀬沼エリアで最大規模を誇る「大江湿原」へと足を進める。ここは帰りのバスが出る「沼山峠」へ向かう途中に通り抜ける湿原で、7月中旬から下旬にはニッコウキスゲが最盛期を迎え、一面が鮮やかな黄色に染まる。尾瀬沼のほとりにぽつんと佇む「三本カラマツ」も絵になるランドマークだ。

大江湿原はニッコウキスゲが一面に咲き誇る
トイレや靴洗い場も完備した沼山峠。安心してバスの出発を待てる

 沼山峠に着いたら、あとはバスで御池を経由し、奥只見湖からまた船で奥只見ダムへと戻っていく。奥只見湖から尾瀬に向かうルートは、最初の「奥只見シルバーライン」にはじまり、遊覧船、バスなどさまざまな乗り物を乗り継いでいく、移動の楽しさが最大の醍醐味。尾瀬の美しい自然と乗り物を楽しむ体験は、心に残る思い出深い旅になるだろう。

奥只見湖から船で行く尾瀬ルートを体験!

<おすすめルート>
【1日目】
御池→三条ノ滝→見晴(泊)(所要時間:5時間)
【2日目】
見晴→尾瀬沼→沼山峠(所要時間:4時間40分)