この夏は全国各地の山でクマの出没が相次ぎ、登山道の通行止めや入山規制が実施されている。一方で、長期間閉鎖されていた登山道が安全対策を経て再開したケースもある。さらに、夏山シーズンは大雨や土砂崩れなど自然災害による通行止めも少なくない。
夏山シーズン本番を迎える前に、主な登山道の最新情報を整理しておこう。
◼️羅臼岳は7月5日から閉鎖が解除
シーズン突入を前に、もっとも注目を集めているのは、北海道・知床の羅臼岳だ。
2025年にヒグマによる死亡事故発生以来、羅臼岳登山道や硫黄山登山道、羅臼湖遊歩道が長期間閉鎖されていた。しかし、関係機関による安全対策や利用ルールの見直しが進み、7月5日から利用が再開された。
百名山であり、知床を代表する名峰への登山が再び可能となったが、ヒグマの生息地であることに変わりはない。最新情報の確認や十分な対策は欠かせない。
◼️奥多摩エリアは一部通行止めが解除
一方、現在もクマを理由とした通行止めが続く山域もある。
例えば、埼玉県の両神山もそのひとつ。子グマとみられる個体の目撃を受け、母グマが近くにいる可能性を考慮して、上落合橋登山口から山頂方面へのルートが通行止めとなっている。再開時期は未定で、利用者には他ルートの利用や計画変更が呼びかけられている。
また、東京都・奥多摩でも、5月にクマによる人身事故が発生。一時は、六ツ石山方面などが通行止めとなった。安全確認を経て現在は再開している一方で、長沢背稜や天祖山方面など一部区間では、人的被害防止のために通行止めが継続しているので、奥多摩エリアを歩く際はルートごとに最新の規制状況を確認したい。
また、飯豊連峰では、2025年秋に足ノ松尾根でクマによるものとみられる死亡事故が発生したことを受け、2026年シーズンは足ノ松尾根登山道を閉鎖する措置が取られている。飯豊連峰全体が登れないわけではないが、胎内口からの代表的なルートを利用する予定だった登山者は注意したい。
◼️雪解けや大雨に伴い、落石や崩落の影響も出ている
クマ以外では、豪雨や土砂災害による規制も目立つ。
長野県の中央アルプスでは、6月28日に発生した法面崩落により、伊奈川専用林道が全面通行止め(歩行者も含む)となり、大桑村側から越百山、南駒ヶ岳、空木岳へ向かうルートが利用できなくなっている。また、糸瀬山も林道の落石や崩落の影響で登山口へアクセスできない状況が続く。
このほか、南アルプス・北岳や間ノ岳の玄関口となる林道南アルプス線では、7月上旬に落石による一時的に通行止めが発生した。また、北アルプス・黒部峡谷でも、能登半島地震の影響で欅平から先の黒部峡谷、水平歩道の通行止めが続くなど、自然災害の影響による規制も各地で続いている。
通行止めや規制は安全確保のための措置であり、状況によっては数日で解除される場合もあれば、数か月からシーズンを通して継続するケースもある。この夏は、例年以上に「最新情報を確認してから山へ向かう」ことが、安全登山の前提となりそうだ。