マルチツールのオリジネイター・レザーマンより2026年7月1日、ブランド初の固定刃ナイフが発売されました。6月末に開催されたアウトドアギアの展示会「OutdoorConnections 2027SS」に出展したLTJ(旧レザーマンツールジャパン)のブースでお披露目された、3本のナイフを紹介します。

■清楚なホワイトハンドル仕様が極小入荷

 今回日本発売が決まったのは、「Pioneer(パイオニア)」「Trac(トラック)」「Rustle(ラッスル)」の3型。「切る」という機能に特化したモノツールの極みである固定刃ナイフを、マルチツールブランドが手がけるとあって大きな注目を集めています。

左から「Rustle(ラッスル)」「Trac(トラック)」「Pioneer(パイオニア)」

 いずれのモデルも、レザーマンが最先端の試みを形にする開発レーベル「Leatherman Garage」が過去に手がけたフィクスドブレードの限定実験ピースの「Harvest」や「Malloy Special」からのフィードバックを昇華させ、正式なラインアップとして結実したもの。もちろん製造は、マルチツール同様アメリカ国内の工場で行われます。

滑り止めのジンピングはグリップ部分まで設けられる。スパインは丸みのある仕上げだが、溝を使えばフェロセリウムロッドのスパークを起こせる(写真は「トラック」)

 本国では2025年の冬に販売開始。LTJの和田将尭さんによると、「本国では2025年の冬に販売開始されていたモデルで、オレンジなどハンドル材のカラバリがあります。今回はハンドル素材が白系のAlpine(アルパイン)のみごく少量確保できたため、日本での限定発売が実現しました」とのこと。

 構造は切先から後端まで1枚の鋼材で構成されるフルタング仕様。鋼材はマルチツールのハイエンドモデル「アーク」や最新作の「WAVE ALPHA」のブレードにも使われているCPM-MagnaCut(マグナカット)を採用したことが最大の注目ポイントです。

ブレードの左側にはMAGNACUTであることを証明するエッチングが施される

 マグナカットは粉末鋼という最先端の冶金(やきん)技術によって製造されるステンレススチールの一種。金属のパウダーを高い温度と圧力をかけ強く接合させることにより、切れ味と長切れ性能だけでなく、靭性(折れにくさ)までをも両立しています。

マグナカットは定番マルチツールの進化版「WAVE ALPHA」のブレードにも採用されている

 切れ味の指標となる硬度は60-63HRCとなっており、ナイフの素材として最高峰と言われるのも頷けます。

■ブッシュクラフト系の「Pioneer(パイオニア)」

 3モデルの中で最もヘビーユースに向くのが、10インチ(全長約254mm)クラスの「パイオニア」です。

“タントー”スタイルのブッシュクラフトナイフの「Pioneer(パイオニア)」

 2つの直線的なエッジを持つ、日本の短刀にインスパイアされた“タントー”スタイルのブッシュクラフトナイフで、刃長は約127mm、刃厚は約4.2mm。

 刃の断面形状はフラットなセイバーグラインドで研磨されているので、バトニングでの薪割りでも活躍してくれそうです。

「パイオニア」の専用シースはユニークなハイブリッド仕様

 前面はカイデックス、裏面はオイルドレザーというユニークなハイブリッド素材の専用シースが付属します。

■ホローグラインド&革シースの正統派「Trac(トラック)」

 きわめて伝統的なドロップポイントデザインが美しい「トラック」。全長227mm、刃長107mmのブレードは、刃先から峰にかけて湾曲した面を持つホローグラインドです。

トラディショナルなドロップポイントが美しい「Trac(トラック)」

 ブレードの断面形状を意味するグラインドは近年、平面のフラットグラインドが優勢。ですが、繰り返し研ぎ進めても刃の形状変化が少ない凹型のホローグラインドは一生ものとなってくれそう。

「トラック」に付属する専用のレザー製シース。LEATHERMANのロゴが刻印されたジャンパーホック式ループは利き手によってスイッチできる

 分厚いレザー製のシースもトラディショナルな魅力に拍車をかけています。