本州最大の高層湿原“尾瀬”の玄関口・鳩待峠(はとまちとうげ)に2025年9月1日に開業したばかりの「LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート」。オープンに先立ち8月28日に内覧会が行われ、施設の全貌が公開された。

■尾瀬の玄関口に星野リゾート運営の「山ホテル」がオープン

オープンを記念して鐘を鳴らす「LUCY尾瀬鳩待」 総支配人・福井ゆう子さん

 湿原ハイクで気軽に自然と触れ合える一方、至仏山燧ヶ岳で本格的な登山にも挑戦できる尾瀬国立公園。春は山スキーや雪山登山、夏は高山植物、秋は紅葉と、季節を通じて幅広い楽しみ方ができ、年間入山者数は約15~16万人に上る。

 鳩待峠は、尾瀬に訪れる人の約6割が利用するという最もメジャーな玄関口。そこに星野リゾートが運営する「LUCY尾瀬鳩待 by 星野リゾート」(以下「LUCY尾瀬鳩待」)がオープンした。宿泊棟の「LUCY尾瀬鳩待」のほか、隣接する「はとまちベースcafe and shop by 星野リゾート」(以下「はとまちベース」)も運営を担う。

 「LUCY(ルーシー)」とは、山岳地域での宿泊に特化した星野リゾートの新しいブランドで、コンセプトは「心揺さぶる山ホテル」。登山やハイキングに興味がある“潜在層”もターゲットとし、山に不慣れな方にも安心して宿泊してもらえるような施設運営をめざす。

 今シーズンの営業は10月25日までだが、予約はすでに満室だそうで、その注目度と人気が伺える。

■大自然に囲まれながら快適性も兼ね備える宿泊施設

4人部屋のフォースルームは、ゆったりと寛げそう
ドミトリーは12室。ザックや衣類をかけるハンガーも付いている
シャワールーム。脱衣所もゆとりのある広さ

 まずは宿泊者専用の「LUCY尾瀬鳩待」を見学。施設は2階建てで、2階が客室スペースとなっている。

 寝室は4人部屋の「フォースルーム」、2人部屋の「ツインルーム」、1人用の「ドミトリー」と3つのタイプがある。ドミトリー含めすべての部屋に充電用コンセントがあり、WiFiも無制限で利用できる。

 さらに男女別のシャワールーム・パウダールームがあり、シャンプーやボディソープも完備。アメニティも歯ブラシ、バスタオルが用意される。トイレも温水洗浄便座付きだ。

「LUCY豚汁ご膳」。ゴロゴロ具材の豚汁はメインとして十分なボリューム

 夕食は向かいの「はとまちベース」に食べに行くスタイルだ。メニューはたっぷりの具材を用いた豪華な豚汁をメインに、焼き魚や半熟卵の揚げ出し、漬け物などの副菜が付く「LUCY豚汁ご膳」。登山に必要なたんぱく質をたっぷり摂れることを意識して開発したという。なお宿泊プランは、素泊まりまたは夕食付きを選べる。

24時間いつでも食べ物やドリンクが購入できる「Food & Drink Station」
アルコール類やスナックなど夜のお供のほか、いなり寿司セットなども販売

 朝食は宿泊棟1階の「Food & Drink Station」で各自購入する。セルフレジを導入した24時間利用可能な“ラストコンビニ”だ。いなり寿司やパン、スープ、エナジーバーなどのほか、日焼け止めやオリジナルマグカップなども販売している。

 「LUCY尾瀬鳩待」は、東京電力の子会社である東京パワーテクノロジーが所有し、星野リゾートが運営を担う。さすが東京電力というべきか、オール電化の宿泊施設で、冷蔵庫(ドミトリー以外)や電子レンジ、ドライヤー、タブレットを使用した24時間のセルフレジなどが目新しく感じられた。

パラコードを編んで、オリジナルの熊鈴を作る体験プログラム

 館内には乾燥室、散策に不要な荷物を預けられるロッカールームもある。加えて双眼鏡のレンタルサービスや、オリジナルの熊鈴を作る体験など、尾瀬ハイクをより楽しく快適にするためのサポートも充実している。