公園などで自然観察していると、植物の葉の上に小さな黄色いテントウムシを見つけることがある。「キイロテントウ」だ。
キイロテントウは他の身近なテントウムシである「ナナホシテントウ」や「ナミテントウ」、「トホシテントウ」などとは異なる生態を持っている。そしてその生態の違いが、”植物の病気を発見するきっかけ”になることがあるのだ。
というわけで、キイロテントウについて、早速解説していこう。
■キイロテントウとは
キイロテントウは”黄色いはね”がユニークな、可愛らしいテントウムシだ。よく見るテントウムシの多くははねに斑紋があるが、キイロテントウにはない。一方で胸部に目立つ黒い斑点が2つある。
また、キイロテントウはサイズが小さい。ナナホシテントウが5〜8mm程度なのに対し、キイロテントウは3.5〜5mmほど。小さな印象のあるナナホシテントウの、さらに半分強程の大きさしかないのだ。
じつはテントウムシ科全体で見ると特別小さいわけではないが、よく見るテントウムシの中では小型であり、可愛らしく見える理由のひとつだ。
■他のテントウムシとの生態の違い
キイロテントウは外見だけでなく、生態にも他の身近なテントウムシと異なる点がある。それは「食性」だ。
例えば、テントウムシとしてまずみなさんが思い浮かべるナナホシテントウは「肉食性」で、主にアブラムシを食べる。そのため、農家や園芸を楽しむ方にとっては益虫であり、縁起の良い虫として扱われる。
ニジュウヤホシテントウは「草食性」で、ウリ科やナス科の植物の葉を食べる。そのため、野菜を育てている方からは害虫扱いされる。このような草食性のテントウムシ(特に野菜などを食害するテントウムシ)のことは「テントウムシダマシ」と呼ばれることもある。
ちなみに、名前の由来は黒い斑点が28個(ニジュウヤホシ=28星)あるからだ。