◼️キイロテントウは「菌食性」

  では、キイロテントウの食性はというと、「菌食性」である。本種が食べる菌の中には「うどんこ病菌」が含まれる。

 うどんこ病菌は、植物の葉に白い粉状のカビが発生する「うどんこ病」の原因となる菌だ。病気が進行すると光合成が阻害されて生育不良になったり、ひどい場合には枯れてしまう。

うどんこ病になった葉とキイロテントウ

 庭にある樹木や園芸種もうどんこ病になるので、キイロテントウは益虫として扱われる。ただし、自然発生する程度のキイロテントウがうどんこ病菌を食べ尽くして病気を治すほどの効果はない。そのため、病気を初期発見することに利用するのが良いようだ。

■キイロテントウはどこで見つかる? 

 キイロテントウはうどんこ病菌を食べる食性から、それらの菌があるところに現れやすい。つまり、うどんこ病の症状(葉に白い斑点がある)が見られる植物の上によくいる。僕の経験上では、エノキやクワの葉の上で見られることが多いように思う。

クワの葉にいたキイロテントウ

 キイロテントウの活動時期は主に4〜11月。冬は成虫の姿で植物の葉裏や落ち葉の中などで越冬する。ただし、冬でも暖かい日などは、手すりや柵などで見られることもあるので要チェックだ。

 キイロテントウはユニークで可愛らしい姿から、出会えると何だか嬉しくなるテントウムシだ(お庭などで植物を育てている方にとっては、見つかると困る虫かもしれないが……)。

 身近な公園や緑道などでも見られる虫なので、ぜひ探してみてほしい。