■翌朝は大船山までピストン

大船山山頂で迎える朝焼け
大船山の山頂

 翌朝は大船山で日の出を迎えるためにテント場を5時過ぎに出発した。テント場から大船山まではコースタイムで2時間ほど。日の出を狙う場合には逆算して計算しよう。

 夜明け前の山道は真っ暗なので、ヘッドライトの明かりを頼りに慎重に進んだ。テント場周囲は霜が降りていて歩くたびにサクサクと小気味いい音がしていた。

山頂から温泉山荘の方角を眺める

 山頂手前を歩いているとゆっくり日が昇ってきて、あたり一面が淡いピンク色に包まれていく。穏やかな光に包まれながらも凛と冷たい空気は冬ならでは。登っている時はやや暑いくらいだったが、山頂で佇んでいると一気に冷え込む。防寒具は必ず持参しよう。

■火山が織りなす風景

大船山から降りると霜がついた枝が朝日を受けてキラキラ光っていた

 大船山をピストンしたあとは、テントを回収して長者原へ向かう。1日目は北側の「雨ヶ池越」ルートから来たが、2日目は南側の「諏蛾守越」ルートから戻る。法華院温泉山荘(標高約1,300m)を出発するとすぐに標高差200mほどの登りが続く。大きな岩もゴロゴロしているので、ペンキマークをよく確認しながらゆっくり進もう。

草木の少ない北千里ヶ浜

 法華院温泉山荘から50分ほどで「北千里ヶ浜」に到着する。あたり一帯が開けており、足元には赤茶がかった砂や黒い岩がゴロゴロと転がる。まるで違う惑星に降り立ったのかと錯覚するような景色を見ると、「くじゅう連山」が火山群で成り立つことを一層実感できるだろう。

平地をしばらく進んだ後は斜面を進んで「諏蛾守越」へ

 「諏蛾守越」で荷物をデポし、「三俣山(みまたやま)西峰」へピストンする。片道約30分の道のりだ。三俣山への道は岩よりも土が多くぬかるみに足を取られる場面もあったので、雨のあとはとくに注意が必要だ。

 三俣山(西峰)から南西の方角を望むと見える白い山肌が「硫黄山」だ。硫黄山は1995年に水蒸気爆発が起きたほか、現在も噴気活動が続いており白く立ち上る噴気を確認できる日もあるそうだ。火口付近半径500mへの立ち入りは禁止されている。諏蛾守越で荷物を回収したあとは、ゴールである長者原までは約1時間半の道のりだ。

三俣山(西峰)山頂から見た硫黄山

■おわりに

 今回は2月に1泊2日で訪れた、くじゅう連山の山行をお伝えした。2月のくじゅうは人が少なく、冷えた空気の中満喫する静かな山歩きはとても居心地がよかった。また、山行中に温泉に入れるというのもポイントが高い。熱い湯に浸かれば冷えた身体はたちまち満たされ、「あ〜、極楽」と思わず口から漏れてしまうだろう。

 とはいえ降雪時期でもあり、朝晩は氷点下になることもあるので防寒対策やチェーンスパイク・軽アイゼンの準備は万全にして楽しんでほしい。

 

【長者原から法華院温泉山荘周回コース】所要時間
1日目
長者原(0:00)→ 雨ヶ池越(1:30)→ 法華院温泉山荘(2:30)
2日目
法華院温泉山荘(0:00)→ 大船山 (2:10)→ 法華院温泉山荘(4:00)→ 諏蛾守越 (4:55)→ 三俣山西峰(5:30)→ 諏蛾守越 (5:50)→ 長者原(7:15)

歩行距離:1日目約5.0km 2日目約11.8km
累積標高差:1日目 登り 385m、下り 151m 2日目 登り1023m、下り1252m
所要時間:1日目 2時間30分 2日目 7時間15分

●【MAP】法華院温泉山荘