■迫力ある荒菅沢の絶景! スリリングな尾根をいく
荒菅沢は夏場には雪渓が残る沢で、多くの登山者がひと休みする場所。このルートの紅葉・絶景スポットのひとつでもあります。昨年と比べるとまだまだこれからといった印象でした。
昨年の10月下旬の紅葉は本当に燃えるようで、その派手さと迫力に圧倒されました。今年はひょっとするともっと凄い彩りになるのでしょうか!?
対岸の尾根に取り付くと、ふたたび登りが続きます。やがて尾根上に出ると景色は良くなりますが、狭い岩場とハシゴが連続する、このルート一番の難所ではないでしょうか。急な岩場こそ浮き石が多いのも特徴です。配慮のない足運びによる落石も何度か見られたので、気を引き締めて慎重に足を運びます。しかし、すれ違いも多く、足元ばかりを見ていると行き詰まってしまいます。
■緑の野原、笹平を抜けてひと登り! 見下ろす“女神”の美しさ
尾根を登り切ると笹平です。夏は高山植物の花々が咲き乱れる場所で、開放的な景色が広がっています。奥に見える雨飾山の山頂部を目指して爽快な気分で歩みを進めます。この登山道が実は……。
広がる笹原の先には最後の急坂が迫ってきます。もうひと頑張り。歩みを止めると秋風が優しく撫でていきます。中程の一番傾斜が強いあたりが、短いですが岩場になっています。とくに下りは要注意です。
歩いてきた道のりを見下ろすと、笹平に刻まれた道がまるで「雨飾山の女神」のような美しい横顔を見せてくれます。まだ色づいた葉も点在し、頬を赤らめたようで素敵でした。
■山頂から望む日本海! “女神の横顔”を拝みながら下山の途に
登り切ると突如として現れる山頂は、左に山頂標識がある南峰、右奥には石仏が立ち並ぶ北峰があります。2つのピークは近く、それぞれ360度のパノラマが楽しめます。
雲海の奥に見える日本海の吸い込まれるような青が印象的です。北アルプスや妙高方面の稜線はあいにくガスのなかでした。いつまでも眺めていたい景色で名残惜しいですが、往路を引き返します。前日の大雨で泥と落ち葉でかなり滑りやすい状況でした。
下山後に去年の記録と照らし合わせてびっくり。登り下りとも、まったく同じ所要時間でした。
この時期、天気のいい週末は相当混雑します。すれ違いで時間がかかるような場所も多いので、時間に余裕をもって早めにスタートするのがいいでしょう。取材日も多くの人が6〜7時に歩き出していました。それでも下山は14時くらいの登山者が多かったようです。
また、駐車場はすぐにいっぱいになります。路上駐車は禁止ですので、なるべく早く到着するようにした方がいいでしょう。遅く到着すると歩き出しがどんどん遅れてしまいます。午後2時くらいにはもう夕方が近い感じがします。焦らなくていいように、ぜひ早出を心がけてください。
【取材日当日、登山口から雨飾山頂の所要時間】
登り:3時間05分、山頂で20分滞在
下り:2時間10分(休憩、撮影時間含む。混雑時はこれ以上かかる場合も多いです)