京都南部に位置する甘南備山(かんなびやま)は、標高221mと初心者でも気軽に挑戦できる低山である。その名は「神の宿る山=かんなび」に由来するとされ、古くから地域の人々に親しまれてきた隠れスポットである。一説によると「竹取物語」発祥の地ともいわれ、神秘的なエネルギーが色濃く息づいている。

 登山道は自然を感じながらもしっかり整備されており、30分ほどで登頂できる手軽さだ。しかし、展望台から望む景色は低山とは思えないほど雄大である。今回実際に甘南備山へ登り、その魅力を体感してきたのでレビューする。

■甘南備山にいざ登山開始

ここから甘南備山への登山がスタート

 甘南備山の麓へは、JR学研都市線・京田辺駅から徒歩30分、タクシーなら約10分で到着できる。無料の駐車場が併設されているためマイカー利用が便利だが、途中には未舗装路もあるので注意が必要である。

 登山口にはコース案内板が設置されており、自分の歩くルートを事前に確認してから登り始めよう。登山道は木々に囲まれているため木陰が心地よく、日差しが強い日でも快適に進めるのが魅力だ。道中ですれ違う地元の人々と挨拶を交わしながら、清々しい気持ちで山歩きを楽しめるだろう。

●神南備神社でお参りしながら一休み

落ち着いた雰囲気の神南備神社

 なだらかな登山道を進むと、山頂近くに静かに佇む神南備(かんなび)神社が現れる。鳥居をくぐれば清々しい森の空気が一転し、神聖な雰囲気に包まれる。神南備神社が建てられた由緒は不明だが、神武天皇が天神地祇を祀ったと伝えられている。歴史に思いを馳せながら手を合わせれば、自然と心が落ち着く。ここで一息ついた後、展望台に向けてラストスパートをかける。