◼️やるべき課題が山積みだからこそ、取り組むべき課題を絞るべき

現在、日本各地の田舎では過疎化、田畑や観光インフラの担い手不足が進んでいます。そんな環境において、問題解決に積極的に取り組める移住者は歓迎されます。しかし、田舎ではやるべき課題が山積みだからこそ、”取り組むべき課題をうまく絞れるか”が大切です。
僕の失敗談を例にしてみましょう。
10年前に移住して以来、僕は珈琲焙煎、アウトドアガイド、さつまいも農家と3つの仕事を通して、地域課題の解決に取り組んできました。しかし、取り組んだ課題が多すぎました。カフェは開店日が少なく、ガイドは開催できる日程が限られてしまう。さらに、畑は草刈りが滞る……と、いろいろなことに手を出した結果、できていないことの方が多くなってしまっているのが現状です。

僕はテンションと勢いでいろいろな課題に向かうことはできるのですが、結局手が回らなくなって、作業が滞り、村の人の優しさに甘えて後回しを増やしてしまう残念なタイプの人間です。周りの皆さんに期待をばかり持たせてしまい、迷惑をかけてしまっています。
皆さん、僕を叱りはしますが、最後は「なんとか頑張ってくれ」と励ましてくれます。また、草刈りができていない畑の近くの方は、「最近見ないけど、元気にやっている?」と優しい言葉をかけていただき、そのうえ野菜までお裾分けしてくれる。申し訳ない気持ちが増します。

田舎では担い手が圧倒的に不足しています。そのため、課題がうまく解決できていない僕ですら、皆さんに必要とされていると感じます。特に僕のように、都市部と連携をとって進める仕事に関わる人や、その人脈が田舎では求められ、期待されています。

みんなで支え合いながら生活を頑張っているのだから、やるべきことができずに村を支えられないなら、 “優しさと共に”叱られるのは当然でしょう。それを「閉鎖的で出る杭は打たれる」とか「頑固親父に怒られた」などと解釈してしまうのは、個々人の関係性の問題かと思います。

田舎暮らしにおいて、やれることとやれないことの線引きはきっちりすべきです。そして、毎日のタスクを確実にこなす強い精神力が必要です。