渓流釣りシーズンもいよいよ終わりに近づいています。“禁漁まであとわずか”という焦りから、普段にも増して足繁く渓へと足を運んでいます。この記事が公開される頃には禁漁となっている場所も多いでしょう。
これで今季の渓流釣り竿納めだという友人のルアーマンを案内しつつ、長野県北部の“この夏一番気になった渓”を訪ねました。
※ 河川や漁協によりますが、本州ではイワナやヤマメなどの渓流魚は9月中に禁漁となる釣り場が多いです。
■狙いは幻のコバルトマス!

長野県北部にある山岳渓流。ここはこの夏初めて訪れた際に、魚影の濃さと型の良さ、そして釣れた魚のすべてがニジマスだったことで、強く印象づけられた渓でした。
さらに、途中のポイントでは何度もフライを追いかけてきた(このときはフライフィッシング)絵の具で塗ったかのような鮮やかな“青い”魚がいました。ブルーバックどころではなく、どこか人工的な印象さえありました。幻とも称される、突然変異の「コバルトマス」なのでしょうか。『釣りキチ三平』にも登場した魚です。手元でじっくりと観察してみたかったのですが、釣ることはかないませんでした。

帰宅してからあらためて調べてみると、コバルトマスの可能性が濃厚です。このエリアのシーズン終了まで数日、禁漁までにどうしてもその姿を見たくて友人を連れて再訪したのでした。
■こんなはずでは…… 厳しい反応

当初予定した釣行日は前夜からの雨の影響が強そうで、一日ずらしての釣行でした。少し強めの水音に不安になりながら山道を進み、流れが見える場所まで来ました。気になる水の具合は濁りもなく落ち着いており、水温は14.1℃と少し高めですが活性は良さそう。好釣果への期待が高まります。
友人が一投目からいきなり良型を掛けました。ネットイン直前にフックアウトしてしまったのですが、さっそく出てきた魚の姿にさらに期待は高まって、二人ともすっかりにやけてしまいます。
しかし、釣りあるあるですが、そこからはまったく反応がなくなりました。魚がいないのかと思うくらい、水中ではルアーがゆらゆらしているだけ。前回はあまりの魚影の濃さに驚いたのに、コバルトマスどころか、通常のニジマスもルアーを追ってきません。たまに10cm前後の影が見えただけで喜ぶ始末で、連れてきた手前、申し訳なくなります。
かろうじて20cmくらいのニジマスを友人が釣り上げたときには、正直ホッとしました。