日本各地に渡り鳥がやってくる秋は、初心者でも比較的簡単に野鳥に出会える観察に最適な季節だ。今回挙げる野鳥5種は都市近郊や公園、河川沿いでも姿を確認できるため、バードウォッチングをこれから始めたい人にもおすすめだ。本記事では探し方のポイントやそれぞれの習性、ちょっとした豆知識などを紹介していく。
■まるっとしたオレンジ色の小鳥「ジョウビタキ」

ジョウビタキは、秋から冬にかけて日本に渡来する小鳥だ。オスは胸と腹が鮮やかなオレンジ色をしており、雌はより落ち着いた灰がかった茶色をしている。特徴的なのは、尾をピョコピョコと振る独特の仕草である。
庭木や公園の低木、草地など、開けた場所でじっとしていることが多く、エサを探す際に地面に降りることがあるが、その際あまり人を警戒しないため見つけやすい。双眼鏡を用いれば、オスのオレンジ色の胸や尾の動きまで確認できるだろう。
ジョウビタキは縄張り意識が強く、同じ場所に長く留まる傾向があるため、一度見つけると何度も観察できる可能性が高い。
■秋にやってくる幸せの青い鳥「ルリビタキ」

ルリビタキも秋に日本へ渡来する小型鳥で、オスは全身が鮮やかな青色をしており、雌は落ち着いた褐色をしている。山地や丘陵地、大きめの公園で見かけることが多く、枝先にとまって辺りを見回す姿が印象的だ。
観察のコツは、林道や公園の林縁で静かに待つこと。鳴き声も特徴的で、短く高い「ヒッ」という声を頼りに探すことができる。秋から冬に日本で見かける青い小鳥はルリビタキだけと考えてよい。初心者でも、色のコントラストと鳴き声を覚えておけば簡単に見つけられ、識別できるはずだ。