■安全性を高める避難小屋と整備された登山道
神坂峠コースの登山道は整備されており、道標も分かりやすく迷うような分岐も少ない。山頂までの道は岩場や急登もなく、筆者が危険を感じることはなかった。ただ往復で約8時間と簡単な行程ではないので、ペースを守り、エネルギーの補給をしながら登る必要がある。早発ちを心がけ、季節によっては日没時間にも十分注意しよう。
山頂付近には避難小屋が設置されており、休憩や悪天候時の避難場所としても活用できる。避難小屋の裏手にある岩場からは、御嶽山や中央アルプス、南アルプス、北アルプスまでを一望のもとに眺めることができる。天気が良ければ、富士山の姿も遠くに見られる。山頂からはそれほど展望がのぞめないので、こちらで存分に楽しみたい。装備や行程の計画さえしっかり整えれば、静かに安心して登れる山。それが恵那山の魅力の一つでもある。


■自然の豊かさをじっくり感じる魅力
登山口まではバスでのアクセスも可能だが、約4km離れた停留所が最寄りとなる。そのため基本的にはマイカーか、タクシーを利用することになるだろう。
鳥の声しか聞こえないような樹林帯や、時おり開けるアルプスの絶景に、きっと五感を刺激されるだろう。山頂が近づくとより豊かで深い自然と、いまも息づく神話の厳かな雰囲気も感じられるはず。これからの紅葉の季節もきれいなので、ペース配分と体力の消耗に気をつけながら、ぜひ一度登ってみてほしい。

■アクセス情報と地図リンク
【神楽峠登山口から恵那山周辺】

【神楽峠登山口を起点とした周遊ルート】所要時間
神楽峠登山口(0:00)→ 山頂(4:00)→ 神楽峠登山口(8:00)
歩行距離:約13.0km
累積標高差:登り 約1,272m、下り 約1,272m
合計所要時間:8時間