紅葉で彩られた絶景の山城に行こう。秋の紅葉時期になると山城が美しく彩られ、行ってみたくなる。山城というと、岐阜城や郡上八幡城など美しく再現された城を思い浮かべるが、筆者は岐阜県中津川市にある「苗木城(なえぎじょう)跡」をおすすめする。理由は、素朴でロマンを掻き立てられるからだ。天守跡には木造の展望台だけが設置されて、立派な石垣が残り、かえって昔の姿のイメージが膨らむ。この城は、専門誌『日本の城ベストランキング』の「山城」部門で見事、第1位に選ばれたことがある。
今回は全国を車で2周した筆者が、紅葉の苗木城跡を紹介する。駐車場から天守台までの散策ルート、途中の美しい紅葉、素晴らしい石垣、山頂にある展望台とそこからの眺めなどを解説する。
紅葉で彩られたロマンあふれる苗木城跡に行くことをおすすめする。
■苗木城跡の概要と紅葉について
苗木城は岐阜県中津川市にあり、山城のイメージそのままに標高432メートルの奇岩の上に築かれた。絶景の山城としてファンが多く、山城ランキングで1位になったこともある。現在は城跡に立派な石垣が残り、天守跡は展望台となっている。山城ファンのみならず、展望台からの絶景を求めて多くの人が訪れる。
自然の地形をそのまま活かして築かれた苗木城跡は紅葉スポットとしても知られている。紅葉の見頃は10月中旬〜11月上旬で、絶景スポットに紅葉の彩りが加わり、最強の絶景山城になるのだ。
■駐車場に車を停め、散策スタート
筆者が利用したのは「苗木遠山史料館」から150mほど先の城に最も近いと思われる駐車場。ここで散策準備をして、散策開始だ。しばらく歩くと道が二股になるので、左側の高台の方向に進む。遠くに苗木城天守跡が見えてくる。遊歩道左右の紅葉が美しい。
またしばらく進むと城全体が見えてきた。もともとあった大きな岩の上に石垣があり、いかにも山城といった様相である。
天守跡に登る途中にある坂下門跡の巨大な岩と紅葉もすばらしい。この時期だけの自然の贈り物だ。
ある程度登ったところで後ろを振り返ると、今度は木曽川と大岩と紅葉の絶景が目に入る。苗木城跡が“天空の城”、“日本のマチュピチュ”と呼ばれるのもうなずける。
天守まであと少しの所まで登ってきた。現在は天守跡に木枠の展望台が作られているが、木枠が自然岩を抱きかかえるように作られており、技術の高さを感じる。
■天守跡の展望台に到着
やっとのことで天守跡の展望台に到着。まさに絶景! 360度パノラマビューだ。木曽川、恵那山、恵那市街地を一望できるうえに紅葉が彩を加えている。この時期限定のすばらしい景色だ。
この城が築城されたのは1532年だが、この地形を見る限り戦国時代にこの城を攻めるのは大変だったことが素人でもわかる。まさに自然の地形を利用した要害だ! しばらく、昔の城の姿を想像しながらこの絶景を楽しんだ。