「子どもを自然の中で安全に遊ばせるカギ」は親にある? <前編>はこちら

◼️僕らが親としてできるリカバリー

行ける範囲で、可能な限り催しには参加して、文化的な体験ができる機会を作っています

 そこでうちは、村で行われるイベントにはできるだけ息子と一緒に参加して、たくさんの大人と接する機会を作っています。村では文化&娯楽施設が限られるので、文化的体験の機会を積極的に探して都会にも遊びに行きます。また、定期的に車で1時間くらいかけて、街の子ども向けイベントにも参加するようにしています。

 田舎暮らしでの子育ての課題であるコミュニティの少なさは、二拠点生活や日帰り旅行という方法でできるだけカバーするように意識しています。都会の子の方が自然で遊ぶ機会が多いのと同じように、うちは都会に住むよりもいろいろと文化的体験ができているかもしれません。

◼️将来戻ってきたいと思える場所作り

子どもが戻ってきたいと思える場所を作りたい

 親子で田舎暮らしをする家族にとって、将来的に子どもが田舎暮らしをするのか、それとも都会に出ていくのかは気になるところです。僕らと同世代の周りの村民は、高校、大学、就職を経て、Uターンで龍神村に帰ってきている人が何人もいます。全ての方たちに共通ではないかもしれませんが、移住先の龍神村がいいところだから帰ってきたのだと思います。

 今よりもっと人口が減少する将来に向けて、せめて帰ってこられる故郷を残すことが、僕ら現役親世代の子どもたちへの責任かと思っています。もっと言えば帰って来たいと思える場所として、エコロジーやカルチャー的な魅力を発掘して迎え入れることができたらと思います。

幼少期を自然の中で過ごした原体験は、ずっと息子の中に残るはず

 大人になっていく時に、幼少期に自然の中で過ごした原体験から得た感性を持って、自然や環境問題を学んで欲しい。そして、主体的に自然の大切さがわかる大人になって欲しい。そのために、うちは田舎で子育てをしています。

 息子が産まれてから強く思うのは、大人になった時に故郷の原風景が龍神村の田舎の暮らしであることの尊さです。

 文化的景観が色濃く残る龍神村で暮らした体験は、きっと将来、里山との関わりや自然を尊ぶ日本人ならではのアイデンティティの核になるでしょう。また、自然環境のサイクルの中で持続的に暮らす、エコロジー的な意識の源になってくれると信じています。

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