沢登りは難しい。それは登山技術だけでなく、クライミング技術や、水への対応など様々なスキルが必要となるからだ。沢登りの醍醐味を堪能しつつ、沢登り初心者でも楽しめるルートは少ないが、道北にあるオロエン川はそれらを満たした魅力ある沢である。このルートの魅力を紹介する。

■自然を最も満喫できるのが沢登り

山を登る全ての要素が求められる

 沢登りは登山のひとつのスタイルだ。登山道を歩く一般登山とは異なり、道のない山を登るために沢を詰めていき、道なき道を登り詰めて山の頂を目指す。それには体力だけではなく、持てる技術や知識を使って自然に挑む醍醐味がある。

 しかし、沢登りの対象となるルートは通常整備されることはない場所なので、安全は自分で確保しなければならない。それ故に初心者向けの沢登りルートというのは極端に場所が限られてしまうのが難点だ。

■魅力のある初級沢登りルートは限られる

沢登りでは様々な滝を越えてゆく

 まず大前提として、沢登りの初級は一般登山の上級レベルよりも難しい。単純な河原歩きであれば難しくはないが、沢には大小様々な滝がありその行く手を阻む。ときには泳いで滝に取り付き登ることもある。

 初級沢登りルートと定義できるのは、そのような困難な箇所を回避する巻き道を使うことができるルートだ。よく使われるルートであれば、巻き道にロープなどが設置されているところもあるが、基本的には踏み跡がある程度だろう。