7月の連休を目前に控え、ハイカーたちがソワソワとし始める時期になりました。

 今年も昨年に続き、北アルプスの裏銀座エリアを目指す登山者にとって便利な登山バスの運行が決まりました。その名も「裏銀座登山バス」。過去2年で、利用者が35%も増加している注目の交通手段です。

 このバスがスタートした経緯と、今年の運行情報についてお伝えしましょう。

◼️一昨年からスタートした「裏銀座バス」とは

年々、ファンを増やしつつある裏銀座エリア

 北アルプスエリアの中にあって、登山者に大人気の「表銀座エリア」に対し、「裏銀座エリア」は少々地味で行きづらい印象のある山域です。

登山口に近い七倉山荘前の駐車場スペースは50台分ほど。週末などはすぐに一杯になってしまう

 理由のひとつは、最寄り駅の信濃大町駅から裏銀座縦走ルートの出発点となる七倉登山口までの2次交通が、高額なタクシーに限られていたこと。しかも、手前にいくつかある登山口も駐車場の台数が限られていて、シーズン中の週末は混雑必至。「登り始める前にひと苦労してしまう山域」というイメージがありました。

賢くバスを使えば、駐車待ちのストレスから解放されるはず

 そのイメージを覆すべく、一昨年から運行をスタートしたのが裏銀座登山バスです。マイカーを減らして、駐車場の混雑を緩和させようと企画されました。運行を開始した2023年の利用者は1,263名でしたが、昨年は1,708名と35%ほど大きく増加したそうで、裏銀座エリアの魅力と登山バスの認知が急速に広がっていることがわかります。

◼️7月18日〜9月28日までは毎日運行予定

登山バスの路線図

 2025年シーズンの運行期間は、7月18日から10月26日までの特定日(7月18日〜9月28日までは毎日)。運行本数は曜日に関わらず、朝と午後の電車の到着時間に合わせて2便ずつ、計4便(新宿発の特急あずさの時間が変更になったので、午後の便の時間が大きく変更。詳しい時刻表はHP参照)。

運賃と運行本数は昨年と変わらず

 運賃は片道1,500円。葛温泉の利用促進のために、今年からは七倉登山口・七倉山荘前から葛温泉間の各停留所への片道運賃は一律500円に変更されています。しかも、乗車予約は不要。タクシーに比べるとかなり手頃に利用することができます。

せっかくなら複数日かけて縦走を計画したい山域だ

 伊藤新道からブナ立尾根の周回ルートなど、日数のかかる計画を立てている方には、信濃大町駅前にある市営駐車場を使うのがおすすめ。駐車日数に関わらず、上限1,500円で駐車できるので、ここにマイカーを泊めてバスで山に向かうのがスマートでしょう。帰りのバスは葛温泉や大町温泉郷も経由するので、下山後に日帰り温泉に立ち寄って、さっぱりと汗を流してから帰ることもできます。