◼️️白峰三山の稜線は広々としていて歩きやすい

この縦走路の魅力は、歩きやすさにもあると思う。北アルプスの縦走路のように急峻な岩稜が続くわけではなく、白峰三山の稜線は広々としていて歩きやすい。それでいてスケール感は圧倒的。標高差は大きいが、登山道はよく整備されており、健脚の登山者なら快適に歩けるだろう。

北岳周辺の山小屋に宿泊し、翌日間ノ岳まで往復して広河原に下る登山者もいるが、私のおすすめはしっかりと三山すべてを踏破し、奈良田に下りるルートだ。3,000m級の楽園といえば、赤石岳〜悪沢岳の縦走路もあるが、アクセスの大変さやアップダウンの激しさを考えると、やはり白峰三山の縦走路は唯一無二の存在だと感じる。歩き終えて奈良田に下りれば、風情ある奈良田温泉が待っている。長く稜線を歩いたあとに浸かる秘湯は、最高のご褒美だ。
何度歩いても、私は「やっぱり、この稜線が一番」と思う。壮大なスケール、高山植物の花々、歩きやすさ、そして温泉。すべてが揃った白峰三山の縦走路は、私にとって特別な存在だ。 年に一度は歩きたい。
(*本記事は『日本で山登りはじめました 外国人の私が感じる特別な魅力』から一部抜粋、再編集をしたものです)