■「トワイライトハイク de CAFE」とは?

例え近所の里山でも、空を見上げるだけで心がほどけていく

 夕暮れどき。空が刻々と色を変えていく時間帯に、ちょっとした山を歩いて辿り着く絶景ポイント。そこに小さなコーヒーセットと、お気に入りのスイーツを持ち込み、夕焼けとともに味わう。

 日没前の限られた時間帯にしか味わえない“魔法の時間”を、身近な里山で気軽に楽しめる新しいアウトドアスタイル、名付けて「トワイライトハイク de CAFE」を紹介する。

■近くて気軽が心地いい、絶景スポットさがし

運がよければSNS映えを狙った写真を撮ることもできる

 「絶景スポット」と聞くと、高い山や有名な展望地を思い浮かべるかもしれない。しかし、「トワイライトハイク de CAFE」に必要なのは、自宅から30分〜1時間以内で行ける、気持ちのいい眺めの場所。なので、標高が高くなくても、住宅街のすぐ裏にある里山や、街の公園にある小さな丘でも十分。

 大切なのは「気軽に歩けて、夕方に立ち寄れること」。そして何より、昼間に歩いたことがあり、安全に帰れる場所であること。多少暗くなっても焦らず下山できる安心感が、気軽な楽しみを支えてくれるのだ。

 見慣れた街並みも、夕陽と空のグラデーションを背景にすれば、驚くほど美しい。“遠くに行かなくても楽しめる” ── それが、このスタイルの最大の魅力だ。

■筆者が体験した空が変わる瞬間と、最高の一杯

最高の景色と最高の一杯。「トワイライトハイク de CAFE」の完成だ

 夕方、実際に歩いてみると、山が昼間とは違う静けさと空気感に包まれていることに気づくはずだ。太陽光が差し込む角度によって、見慣れた風景もいつもとは異なる表情を見せてくれる。

 木々が影絵のように浮かび上がり、空がオレンジから藍色へと変化する中で味わうコーヒーは、いつもより深く、まろやかに感じられた。氷を詰めたタンブラーに熱いドリップコーヒーを注ぐと、カランという氷の音とともに、冷たい一杯が完成する。景色も、香りも、味も、すべてが特別な時間を演出してくれる。