■今は夫婦仲良く寄り添っていますが……

ある日のこと、同じ場所でまたキジを見つけました。オスは、草原に良く生える「スズメノテッポウ」の花穂を熱心に食べていました。すると、後ろからメスがやって来たのです。キジをカップルで見る機会はなかなかないので、仲良く夫婦で過ごす様子を見ることができ、私も幸せのおすそ分けをいただけた気持ちになりました。


ド派手な衣装を身にまとっているオスと違い、メスは地味すぎるくらい地味です。それはそのはず。キジのメスは、抱卵から子育てまでワンオペで行うので、メスだけで卵やヒナを天敵から守るためには、徹底した保護色にならざるを得ないわけです。その間、オスは子育てに全くのノータッチ。道理で、ペアで行動するところを見るチャンスが少ないはずです。
こんな事実を世の女性が知っていたら、「キジの国鳥反対運動」が巻き起こってしまうかもしれません。人間の夫婦関係は、時代とともに大きな変化をしてきましたが、キジ夫婦の今後はどうなるのか、興味津々です。