山梨県笛吹市(ふえふきし)と富士河口湖町の境界に位置する釈迦ヶ岳(しゃかがたけ・標高1,641m)と黒岳(くろだけ・標高1,793m)。今回は、山梨百名山に名を連ねる二つの名山を一度に登ることができるコースを紹介する。
富士山の北側に連なる御坂山地は、富士山周辺の山域でも、特に美しい富士見絶景スポットとして有名。白樺や落葉樹の登山道は、静かな山歩きが楽しめ、山頂の絶景とのギャップも魅力の一つ。登山口のスズランが咲く時季には、山中のツツジも美しく咲いており、山に彩りを加えてくれるので、特におすすめだ。
■「釈迦ヶ岳」&「黒岳」を踏破するコースの紹介

●すずらん群生地駐車場へのアクセス
すずらん群生地駐車場は、山梨県笛吹市芦川町(あしがわちょう)に位置し、毎年5月中旬から下旬にかけて見頃を迎えるニホンスズランの群生地として知られている。
マイカー利用の場合、中央自動車道・笛吹八代(ふえふきやつしろ)スマートICより約30分、一宮御坂(いちのみやみさか)ICからは約40分でアクセスできる。「すずらんの里入口」バス停のある交差点を左折し、キャンプ場を過ぎた先に駐車場がある。駐車場は無料で利用でき、収容台数は普通車約40台。トイレも備えられており、ありがたい限りだ。
●標準コースタイム
【すずらん群生地駐車場から釈迦ヶ岳を経て黒岳を巡るコース】所要時間
すずらん群生地駐車場 (0:00) → 尾根分岐 (0:30) → 釈迦ヶ岳(1:30) → 尾根分岐 (2:20) → 黒岳(3:20)→展望スポット(3:35)→すずらん群生地駐車場(5:00)
歩行距離:約10.3km
累積標高差:登り 940m、下り 940m
合計所要時間:5時間00分
■二つの山頂から違った表情が見られる、絶景富士見登山!

●すずらん群生地から釈迦ヶ岳山頂へ

すずらん群生地駐車場を出発し、蕪入沢沿いの林道を歩いて登山口へと向かう。スズランの白い花を楽しむのであれば、5月中・下旬がいい時期だ。
群生するスズランが楽しめる遊歩道が駐車場付近に整備されており、20分ほどで周回できる。下山したら、思う存分スズランのかわいらしい姿を堪能しよう。
登山道はよく整備されており、緩やかな登りから始まるが、徐々に傾斜が増し、急登へと変貌を遂げる。このまま稜線の分岐点まで登ることになるので、最初から覚悟を決めて歩き出そう。
出発からおよそ30分で尾根分岐に到着。尾根道では、ブナやミズナラの原生林の中を進み、時折富士山が顔を出してくれる。やがて、岩がむき出しの釈迦ヶ岳山頂にたどり着く。
山頂から望む、深い緑に包まれた山並みと、その山の向こうに聳える富士山の姿が美しい。足元が不安定なので、景色に夢中になって足を滑らせないように注意しよう。