■関係人口のニーズに合わせて農家の可能性が広がる

過去には、龍神村の地ビールを創りたくて、さつまいもを使ったエール「龍神金熊」を手がけたこともあります。大阪から奈良の東吉野に移住したトレイルランニング仲間がビール工房「グッドウルフ」を始めた縁で、山に移住した者同士でコラボした製品でした。京都のトレラン仲間のカフェスイーツにも使ってもらっています。
「半農半X」のライフスタイルだからこそできることもあります。僕の場合は、トレイルランニングのプロランナーとコーヒー焙煎士、そしてさつまいも農家の3足のわらじを履いていますが、いも掘り体験と山遊びを組み合わせたネイチャーツアーも主催しています。もちろん、ツアー中には自家焙煎のコーヒーも提供しています。農家という1つのライフスタイルが、他の事業にも活きているのです。
農家としてさつまいもを作って卸すだけではなく、これまで築いてきた関係人口を生業に変えたり、事業にしたり。マーケット(関係人口)のニーズに合わせて、一緒になってさつまいもの可能性を広げていけるのは、とても楽しい暮らし方です。