■稜線上を先に進むなら中級者以上向き

標高は高くありませんが、この景色。しっかりと縦走感があります

 ちなみに、下りは行きと同じ道を辿れますが、今回は主稜線を西に向かい、犬越路(いぬごえじ)から沢筋を下るコース取りにしました。ツツジ新道を往復するならば、危険箇所は特になく、体力さえあれば初級者でも問題ありません。しかし、犬越路に向かう稜線はやせ尾根が多く、クサリ場やハシゴも現れるため、中級者以上向き。その代わり、先に進むほどに景色や植生の変化を楽しめるうえ、標高以上の高度感と縦走感を味わえます。

急なクサリ場やハシゴもあり

 下り切った沢では何度か渡渉があり、広い河原に出たり、ルートを見失いやすい箇所もあります。基本は右岸沿い(上流から下流を見て右側)を歩き、ピンクテープを追ってください。明るいうちに通過できるようにしましょう。

足元に咲くコイワザクラ

 山頂の桜を見たいのならば、今週がギリギリのタイミングかと思われます。しかし、檜洞丸は桜が散ったあともたくさんの花の見頃が続きます。例えば、足元にはコイワザクラという別の“サクラ”も見つけられるでしょうし、ミツバツツジは1,100mほどまで咲き上がっていたので、見頃まであとちょっと。そのあとはオオバイケイソウの季節も控えています。

このあとはツツジが咲き誇る季節です

 大山や塔ノ岳など東側の人気の山と比べると、静かなことが多いですが、とても見どころがたくさんある山域です。起点と終点がビジターセンターなのも安心だし、下山後は見てきた植物の答え合わせもできます。ぜひ、樹上や足元をよく観察しながら歩いてみましょう。