街はだいぶ春めいてきましたが、3月末になっても各地で雪が降っていて、山に春が訪れるのはもう少し先になりそう。雪山登山をしない方にとっては、新緑が気持ちのよい季節がくるまでは、なかなか登りたい山を選ぶのが難しい季節です。

 そんな時におすすめしたいのが、山中湖畔に聳える三国山周辺のルート。今の時期におすすめな理由と併せて、このルートの見どころも解説していきます。

■首都圏からのアクセスに優れた富士山の大展望台

遠くには、雪を抱いた南アルプスも見えます

 三国山は、その名の通り、神奈川、山梨、静岡の3県に跨る標高1,328mの山です。

 すぐ隣にあるピーク、鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま:別名 明神山)の南面以外はススキの原っぱになっており、山中湖越しに富士山や南アルプスがドドンと見える大展望台として知られています。気温自体は冷え込みますが、標高の割に積雪量の少ない山中湖畔にあるので、冬から春先にかけても雪山装備なしで歩ける日が多い山でもあります。

 また、首都圏からは東名高速道路や中央道を使えば、1時間半ほどで楽々アクセスできることもおすすめしたいポイントです。

■スタートは三国峠から

三国峠の駐車場

 アクセスはマイカーが便利でしょう。三国峠にある広々とした無料駐車場が利用できます。北面のパノラマ台にも駐車スペースがありますが、駐車できる台数が少ないため、登山では使わないように配慮しましょう。

駐車場からは、ススキの中をひたすら直登

 まず、駐車場から鉄砲木ノ頭を目指します。20〜30分ほどで簡単に登れてしまいますが、景色はかなりスペシャルです。特に空気が冷たく澄んでいる時期は、富士山をクリアに撮影するチャンスです。毎年2月にはダイヤモンド富士も見られるため、多くの登山者で賑わいますが、3月は比較的混雑が収まるので静かに歩くことができるでしょう。