12月に入って、やっと冬らしい寒さになってきました。標高の高い山は真っ白な雪をまとい、すっかり冬の装いです。
紅葉前線もグッと街に近づいていますが、今週までならギリギリ最後の紅葉ハイキングを楽しめそうな山もまだあります。その中から、首都圏近郊で紅葉以外にも見どころの多いおすすめルート「茨城県の生瀬富士&月居山(つきおれさん)」を紹介します。
■紅葉に染まる巨瀑を見下ろせるルート
生瀬富士は茨城県久慈郡太子町にある、標高406mの山です。
近くには日本三大名瀑の1つに数えられる袋田の滝があり、この時期は滝をぐるっと囲むように聳える山々が鮮やかに色づきます。袋田の滝は高さ120m、幅73mにも及ぶ大きな滝で、紅葉に染まったこの巨瀑を上から見下ろせる&なんと滝の上を渡渉できるという珍しい体験ができるのが、今回紹介する生瀬富士と月居山を繋ぐルートです。
■首都圏からはのんびり電車に揺られて3時間ほど
登山口へはマイカーでも電車でもアクセス可能です。最寄駅はJR水郡線の袋田駅で、駅から20分ほど歩いたところから登山がスタートします。
車は首都圏から3時間ほど。電車の場合、一番早い電車に乗っても10時半くらいからのスタートとなります。コースタイムはそれほど長くはないので、その時間からでも十分歩くことができますが、日が短い今の時期は自分の体力と合った計画を立ててください。
登山口は少し分かりづらいのですが、袋田温泉の「思い出浪漫館」という宿泊施設の裏手から登っていきます。地形図を見ると、より駅から近い小学校の裏手、神社の脇から尾根を登って行けるように見えますが、地元の方曰く、「最近は歩く人がほとんどおらず、こちら側からは人を通していない」とのことでした。
■「茨城のジャンダルム」と呼ばれる痩せ尾根を歩いてみよう
広葉樹と植林の杉が混じる緩やかな沢筋の林を進み、尾根に突き上げる直前だけ少し急な登りになります。生瀬富士の山頂までは、わずか1時間ほどです。山頂は406mと高くはないものの、那須連峰や日光の山々を望む絶好の展望台となっています。
この山の見どころは、展望だけにとどまりません。北に延びる痩せた岩稜の尾根は「茨城のジャンダルム」と呼ばれており、標高からは想像がつかないほどスリリングな体験ができます。危険な箇所にはロープが付いていますが、高いところが苦手な方は思わず足がすくんでしまうような景色です。