春が過ぎ、木々が葉をつけると山に行きたくなる衝動が襲ってくる。今回は日本百名山「蓼科山(たてしなやま)・標高2,531m」の、例年4月下旬に冬期閉鎖が解除され、アクセスが可能になる「7合目登山口」から山頂を目指すルートを紹介する。

■最短ルートだからと侮るなかれ!「7合目登山口」から登る日本百名山 蓼科山

麓の白樺湖から望む蓼科山

 日本百名山の一座に名を連ねる蓼科山は、日帰りで登れる山だ。特に最短コースである7合目登山口からのルートの所要時間は約3時間30分。比較的短い時間で行動できることから、人気のコースとなっている。

 最短コースであり、道中に危険を感じるような箇所はないものの、登りがいのある斜面が続く。呼吸が乱れないペースを意識し、雪解けの山の声に耳を傾けながら山頂を目指してほしい。

7合目登山口には鳥居があり、ここから登山開始となる

 7合目登山口には鳥居があり、くぐると登山開始。筆者が訪れたのは2024年5月中旬。登山道に雪はなかったが、その時と比べて今年は雪が残っていることも考え、チェーンスパイクやアイゼンなど滑り止めの携帯は忘れないようにしたい。雪解けの時期は登山道のコンディションも悪くなるため、ゲイターがあるとウェアが汚れたり、濡れたりするのを防ぐことができる。

 蓼科山荘までは約1時間25分、その間は樹林帯が続くが、美しい苔の森が広がっており、鳥のさえずりが聞こえてくる。山頂へと急いでしまうのはもったいない道だ。とは言え、そう簡単に急ぐこともできない登りで、徐々に急になる登山道に筆者も苦戦を強いられた。

蓼科山荘までの樹林帯は美しい苔の森が広がる

 急な登りだった森が開け、平坦な場所に建っている蓼科山荘。売店もあるので飲料なども補給できる。ここから山頂までは30分ほどではあるが、気の抜けない道が続くため、エネルギーを蓄えてから出発しよう。蓼科山荘は2025年は4月26日から営業を開始しており、毎週火曜日が定休日となっている。営業時間が短縮される日や、祝日などがあると営業日が変わることもあるので訪れる前には事前にチェックしたい。

蓼科山荘からはゴロゴロとした岩が多くなる。呼吸を整えてから山頂を目指そう