桜が散り、新緑の季節がやってきた。この時期は朝晩の冷え込みはあるものの、日中は暖かく森林浴に最高の季節である。

弥勒寺と兵庫県立ゆめさきの森公園(国土地理院地図より引用)

 今回訪れたのは兵庫県姫路市北部。「日本一の福」を授けてくれるという巨大な布袋尊が鎮座する通宝山弥勒寺を参拝し、寺のすぐ隣にある兵庫県立ゆめさきの森公園内にある通宝寺山へと足を延ばした。

■通宝山弥勒寺と日本一の福をもたらす巨大布袋尊

弥勒寺山門
おもかるさん(おもかる布袋さん)
賽銭を入れるのは、布袋尊の首にかかる賽銭箱だ

 通宝山弥勒寺(つうほうざんみろくじ)は長保2年(1000年頃)に創建された約1000年の歴史を持つ寺だ。花山法皇も訪れたとされるこの寺は、姫路の古刹、書写山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)の奥の院であり、室町時代には播磨の守護大名赤松氏の庇護を受けていたという。

 また、本堂には「おもかるさん(おもかる布袋さん)」と呼ばれる布袋尊があり、願い事をした後に布袋尊を持ち上げた時、願い事をする前より軽く感じたら願いが叶うと言われている。なお、願い事1つにつき100円の賽銭が必要だ。

 弥勒寺の見どころは「日本一の福」を授かると言われている、視覚的インパクト大の巨大な布袋尊。この巨大な布袋尊は境内の一番奥に鎮座しており、その後ろは兵庫県立ゆめさきの森公園の入口となっている。

 ところで「日本一の福」とはいったい何なのだろうか。脇の説明板によると、巨大布袋尊は宝くじ関連のご利益があるらしい。なんと、山田さんという宝くじ売り場の担当者の方が布袋尊の首にかかる賽銭箱に小銭を投げ入れお願いしたところ、10日後に2023年のロト7で売り場から1等10億円出たというのだ。

 筆者もさっそく賽銭を投げ入れようとしたが、現金がなかった。布袋尊正面の賽銭箱に入れたのが手持ちの最後の現金だったのだ。「先に説明板を読むべきだった」と後悔したがもう遅い。「日本一の福」を分けていただくため、また来るしかなさそうだ。

 最近筆者は電子決済ばかりで、現金を使うことがほぼない。しかしこうした緊急時に備え、小銭は多めに持っておくべきだということを学んだ。