春の訪れとともに、また山を歩きたくなる。でも、いきなり標高が高い山や長距離ルートに挑戦するのは少し不安。そんな方にぴったりなのが京都・大山崎町にある「天王山(てんのうざん)」

 JR東海道線山崎駅を起点に、天王山の周辺ピークをつないで歩くこのルートは、累積標高約390m、歩行距離はおよそ7.6kmと手ごろ。駅からすぐアクセスでき、歴史や自然を感じられる山である。

 春の足ならしに天王山ハイキングはいかがだろうか。

■天王山・低山ピークハント

天王山山頂

 天王山(標高約270m)は「天下分け目の戦い」の舞台としても知られる山。1582年、山崎の戦いで明智光秀に勝利した羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)はこの地に山崎城を築いた。まさに天下統一の出発点といえる城である。山頂付近一帯には、今もその城跡の一部が残されている。

 春の気配が漂いはじめた3月中旬、筆者はJR山崎駅からスタートし、天王山山頂を目指した。

■JR山崎駅〜天王山山頂

JR山崎駅

 JR山崎駅の裏手に目を向けると、今日歩く山が広がっている。駅のコンビニで弁当を買い、いざ出発。住宅街をぬけると、すぐに林道歩きとなる。

 ちょうどミツマタの花が見頃を迎える時季で、多くのハイカーがミツマタの群生を目当てに訪れていた。黄色い花が咲き誇る道を歩きながら、ゆっくりと標高を上げていく。

広々とした天王山山頂

 駅から45分ほどで山頂に到着。かつて城が築かれていたこともあり、山頂は広く、子どもから年配まで多くの人でにぎわっていた。